またあらじー Never more
2006年 11月 15日

実際,ここの高音域のサンプルサウンドを聴くと30代以上は聞こえないファイルが多くて,私も駄目でした。ただ,Sound Editをトーンオシレーター代わりにして作ったサンプル音(余り良くない)で自分でチェックすると15.0kHzぐらいまでは聞こえていることが確認できました。手持ちのiPod (PRODUCT)REDをBat detectorで探音すると,11.0以上では発信音は出ていなかったので,私のものは対策処理済みのものか,当たりであったようです。尤も,15.0kHzを超えた領域でノイズがキーンと鳴っていることがBat detectorで看破されても,私のようなおじさんにはチェックできないのですが。
追記ーそう,書きたかった話を書くのを忘れてました。可聴域の話でいつも思い出すのは,ドリトル先生に出てくる,カナリヤの歌姫「ピピネラ」の話。悪魔のバイオリニスト,ニコロ・パガニーニがドリトル先生演出のカナリア・オペラを観劇に来るのですが,「動物語が話せると言うと狂人・山師扱いされる」と謙遜する先生に「動物ときちんと意思疎通が出来なければ、こんな完成度の高いオペラを演出するのは不可能だ」と,パガニーニは疑いもせずに絶賛し,更に,ピピネラがトリルの最後の部分で人間の可聴域を超えて唄っているのを彼がちゃんと聴き取っていることを告白する場面があります。異能のバイオリニストがドリトル先生を理解する存在であったという,子供心に,なぜかとても好きな場面でなんども読み返したものでした。
kyoko_fiddlerさんのお話では,バイオリニストの耳は相当酷使されるそうなので,演奏に関係ない可聴域の上の方が加齢に抗して落ちていないなどと云うことはないのかも知れませんけれど,超人バイオリニストの異能を示す話としては,これ以上ふさわしい話はないかも知れません。
自分がやっている音声解析の覚え書きです。
MPレコーダに録音した音声データは,手持ちのアプリで編集できるものはiMoveしかありません(その後,QT Player Proを使ってます)。数分なら良いのですが,8時間とか云うと本当に無理。それだけ全部解析するわけではなく,せいぜい数秒なのですが,必要な部分を取り出すには,リニアに全部読み込めないとどうしようもありません。
それで,やっている方法が,MPレコーダをMacに繋いでファイルを落とす。これをiMove でプロジェクトを立ち上げておいて,そこに読み込み。要するに動画にバックグラウンドサウンドをつけるやり方です。そして,必要な部分(全体の数千分の一)を聴きだして切り分け,それをQuickTimeMovieに書き出して,ようやくSound Edit 16や各種音声解析ソフトで解析・編集,なんてことをやっていたわけですが,あまりに大仰なので,MP3ファイル等,巨大なものでもエディティングできるものを探しました(もちろんフリーウェア)。spwaveというのが,見つかりました。でも,8時間分のMP3ファイルを切り出すなんてやっぱり無理でした。30程度なら問題なさそうです。
さてiMoveで必要な部分を切り出して,書き出すことが出来ても,QuickTimeファイルにしかなりません。Sound Edit16は一種のオーサリングソフトでして,動画もぱらぱら漫画のようにプレビューできますが,これで音声データをいじって,スペクトルグラムなどに視覚化します。Sound Edit16はAIFFファイルやwavファイルをサポートしているので,これで書き出せば,他のアプリで使えるかと思いきや,プラットフォームが違ったりソフトが違うと簡単にいかないので(後述),注意が必要です。
鳥類などの声の解析ではコーネル大学の鳥類研究室が製作・販売までやっていたCanaryが有名でした。でしたというのは,これはかつては有料だったのですが,OSXに移行せずMac OS 9.2版のままフリーになってしまい,後継ソフトに看板を譲ったのです。このソフトのありがたいところは音声データの数量比較が出来ると云うことです。二つの音声パターンを比べてCorrelation(相関値)が出るので,二つの音源がどの程度類似しているのか,数値化することが出来ます。実際に使っている明確な論文を読んだことはありませんが,同じ種類の鳥で個体識別が出来るという鳴り物入りで,購入した鳥類関係の研究室もあったはずです。
で,その後継ソフトとして出てきたのがRavenです。Lite版は軽くてインターフェースもなかなか,subscribeは必要ですが,ありがたいことにフリーです。ところが,このcorrelationがLite版にはありません。有料版にあるのか,確認できていないのですが,類似度指数を出そうと思うと,現時点ではCanaryに戻ってクラシック環境で使うしかありません。なんせSystem 8がどうのこうのと解説に書いてあるソフトです。Canaryは一応AIFFを読み込めることになっていますが,通常のAIFFファイルで保存すると読み込めません。libsndファイルオプションを付けてようやく,読み込むことが出来ます。コウモリの音波解析を目的に作られたBat Sound proはwavファイルを扱う使用になっております。Bat Sound proで作成されたwavファイルは問題なくSound Edit 16で,読むことが出来ますが,逆は上手くいきません。これもspwaveで,libsndオプションの付いたwavファイルに変換すれば,大丈夫なようです。
ファイル変換と,リニア編集可能なファイルの上限という問題から,MPレコーダで録音した音源からわずか数秒の音を,デジタルデータのまま取りだして解析しようと思って,Windowsなら別の形になるのでしょうけれど,とりあえず,Macを使っての作業だとこういう手順でなんとかなっているわけですが,もちろんプロ用ソフトがあれば,何ら問題はないと思います。
ああ,疲れた。
ちなみにThe Bat detectorsの超音波ナイト・ライブ演奏は,私のiPodにもばっちり入ってしまっております。編集前に,iTuneで少し聴いて確認したからなのですが,暇な時間にチェックしております。8時間以上に渡るライブなので,聴き応えがあります。
ビックリしました。
音声・動画ファイルって何でこうも互換性がないものばかりなのでしょうかねぇ・・・
ってフリーソフトだからかもしれませんが^^;
猫さんみたいに専門的なファイルは扱いませんが、ちょっと動画編集でもしようと思っても、フリーソフトオンリーでは痒いところに手が届きません。
その結果、やーめた・・・となるのです(笑)
動画編集はMacならiMovieでそこそこの編集を行って,ビデオテープに書き戻せます。が,音も含めてプロスペックなら,Final Cut Studioを購入するしかありません。¥128,000は,機能を考えれば,安いかも知れませんね。
しかし,音声・動画って,フォーマットが多すぎ。
人の声は認識できても、声の高さによって言語の聞き取りが難しいことがあります。
結果を知るのが怖いので、可聴域のチェックはしたくないなぁ。
パガニーニは悪魔と取引をして、聴力をキープしたのかも。
又、これを治す事はかなり難しいです。
自分は仕事柄、耳のチェックを行いますが最近では左耳がやられ
23kHzから無理でした。昔は「こうもり男」などと言われかなりの
高周波まで聞こえたのですが最近はダメです。
CDは20kHzで切ってあるのでスーパーオーディオの再生装置で
音を聴くと「キーン」という音に敏感に反応してしまいます。
(特にライドの音抜けとか)
あと問題なのは位相です。
人間の耳は左右のバランスが崩れると感覚器官に障害が出る
時があります。
耳って結構大事な器官だと行き着けの医者に教わりました。
人間の耳は「怪奇と幻想」を聞き分けるセンサーですね。
パガニーニを好意的に書いたH・ロフティングの感性が面白いです。
アラン・パーソンズ・プロジェクトへのオマージュについて触れていただいて感謝です。

