黒猫

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野生動物を対象とした自動撮影装置については,発信器同様,完全自作のものから,既製品のモジュールを使ったもの,海外製品など,かなりいろいろ使ってきました。最初に,工学部の学生さんに頼み込んで作ってもらったものを使ってから既に1/4世紀が経っちゃってます。恐ろしい。ちなみに記念すべき一号機は,西表島で使って快調だったのですが,低温下では,作動停止しました。制作者が回路のコストを削ったのです。また,当時は,ホッカイロ抱かせようにも無かった時代でした。
Kyosera T4, Carl Zeiss Tesser 35mm/f3.5 T*




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また,カメラ側の進化も,大きな部分があって,リチウム電池による,休息充電が可能になってから,あらかじめストロボに電流を送ってチャージさせっぱなしというバッテリーマネージメントしか選択肢がない時代では,ストロボ電源のバッテリー・ライフが,自動撮影装置をどのくらい長い間ほっておけるかという問題のボトルネックになっていました。
Kyosera T4, Carl Zeiss Tesser 35mm/f3.5 T*
 MO-1に250フィートの長尺バックを付けようが,ストロボが一昼夜で光らなくなるのなら,それもどうしようもありません。結果,積層電池のでかいのをえっさえっさと運ばねばならなくなり,一人でフィールドの深部まで持ち込んで仕掛けるなどという使い方を想定する私には,あまりにも装備が重くでかくなってしまいました。
 エネルギーの大きなリチウム電池が開発されて,また,一眼レフもポップアップストロボが普通に内蔵されることになって,このストロボのバッテリーライフの問題は,解決しました。すなわち,発光させようとしたときの最初のタイムラグはありますが,ストロボチャージのために電池が一日でなくなるという制御ではないので,カメラを何日間もほっておいても大丈夫ということになったわけです。確かそういうストロボ制御をしたコンシューマ機は,Plympusの「ピカソ」あたりが最初ではなかったかと思います。当時の私は,モデルさんがパシパシ光らせるそのCMを見て,それだけ重要な変換点であったことを理解していませんでした。

 もちろん,まともな作品を撮る場合,多灯が当たり前になったりしますので状況は変わりませんが,記録観察には内蔵ストロボのポン炊き一灯で十分。
 現在使っているタイプは,既にカメラの部分がディスコン品ですが,全天候型フィルムカメラ付きZeissレンズと呼ばれた,名機T-proofの海外版であるYashica T-4, T-5の改造品なので,写りは結構良いです。


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今時,自動撮影にデジカメ使わないの?と言われそうですが,バッテリーライフの問題と,スリープ機構のキャンセラーが面倒なのと,コントロールケーブル部分を回路から引っ張り出して繋いだりしなければならないところで,しょっちゅう製品が作られては消えていくので,安定して供給できる製品を設定できないという一番大きな問題があります。てなわけで,国内で製作販売している工房もデジカメについては結構悩んでいるようです。
 ちなみに,平均的なコンデジに外部電源を付けて電池寿命を延ばそうとしても,17Ahで6Kgもある電池を抱かせて,最も条件が良くて,つまりほとんど,ターゲットがを撮影することのない待機状態で,5,6日しか保ちません。T-proofでは,小さなリチウム電池1個で,半月ほったらかしても大丈夫です。最もフィルムは35枚しか撮れませんけれど,どちらが使い物になるかというと,条件によりますが,フィルムカメラの方に部があります。最も何十キロもの電池を繋げば,デジカメの数百枚単位で撮れる能力は魅力で,要するにデジカメは短期決戦向きということです。
Kyosera T4, Carl Zeiss Tesser 35mm/f3.5 T*
 作動部分がソレノイドスイッチになっていて,これをデジカメに巻き付けて機械的にシャッターを押すという製品もありますが,タイム楽が作動性において,少し難があります。で,そもそも,その製品がシャッター圧をどのくらいに設定しているか調べたら,データが無かったという状況なので,これは,デジカメとの組み合わせについては,使ってみて判断せねばなりません。

 ちなみに,私の撮影画像は,某物欲系マガジンにおいて,発注先の製作工房の紹介ページに使われたこともあるのですが,ここに出すと正体が割れるので止めておきます。
 でも,まあ,自動撮影は自分でシャッターを押せないので,相当緻密に計算できる方しか,作品を撮影することは不可能です。又,印刷入稿を前提とした諸先輩方は,ワインダーの使える中判ということで,Hasselblad 503CW, 555ELD , 203FEなど,とんでもなくお高いシステムを使われたりしておりました。盗まれたりすると泣くに泣けない機材ですが,結構トラブルは聞きます。
 酷いのになると,自動撮影装置を仕掛けるのを隠れて見ていて,直後に盗んだりする人間もいたりするようです。

 私の自動撮影は,目的が違うので,作品を撮るための自動撮影は,ほとんどやったことがありません。一度は,制約の少ないところでちゃんとやりたいなぁと思っていますので,来年の話をすると誰かが笑いますが,2008年度版のカレンダーには,自動撮影を使った画を入れることを実現したいと思います。


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上の黒猫は,人家の近くの森で撮ったのですが,えらく毛艶がよいので,あるいは飼い猫なのかも知れません。しかし,人跡未踏の山奥に仕掛けた自動撮影装置に猫が写っていると,複雑な気分になります。一つには,人為的に捨てられたことが分かること,さらには,長期間そこでやっていけるとは思えないこと,そして,その猫が望んだことではありませんが,貴重な野生動物の脅威となってしまっている場合があること,その三つのことを考えて,捨てた人間を呪ったりするのです。
 猫は,野生化して生きていくことは,条件により可能ですが,人間が生み出したものです。人間の手元で生き,愛され,死んでいくという人生を出来れば全うさせてやりたいと,誠に身勝手な人間としては,思うのであります。
Commented by jinsei-rarara at 2006-12-04 20:00
こんばんはー。
目が大きいですねー。
これって普通なんですか?
普通?って何なのかこれも疑問ですが??
Commented by complex_cat at 2006-12-04 21:50
jinsei-rararaまだ,幼獣じゃないかと思うのです。だから,バランスから,目が大きく見えます。私が昔飼っていた黒猫が,大人になる前の顔,こんな感じでした。
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by complex_cat | 2006-12-03 18:35 | Year of the Cat | Trackback | Comments(2)

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