Kate Bush / Aerial

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“Red Shoes”(Cat family下にCDの画像があります)から12年ぶりのケイトのアルバムが,昨年,リリースされていたのには,気がついておりましたが,手に入れてゆっくり試聴できたのは,つい最近の話。
 去年購入したThe Secret Policeman's Third Ball(解説サイトがありました)でDave Gilmour, Nick Mansonとの競演で “Running Up That HIl”を唄う彼女の映像を見たのものの,既に19年前の1987年の姿。その1年前,当時恋人だったPeter Gabrielと“Don't Give Up”で抱き合ったまま唄う熱いPVを見せてくれたのあたりから,既に20年,経っちゃってます。どへ〜。
 “Whole Story”と“Red Shoes”は,LDで手に入れたのですが,LDというところが,やっぱりすげぇ過去の話に思えます。


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ずっと私のアイドルだった彼女も,風の噂に結婚したという話は聞いておりました。その後の音信不通は,何ら問題ないと考えるようにしていたのでしたが,やはり,自分にとっては唯一無二の存在です。ちなみに,過去登場したアイルランドの友人の旦那は,やっぱりケイトファンで,国際電話で,その話だけで盛り上がったのは言うまでもありません。意外なところにファンは居て,ちゃんと繋がるのであります。
 肖像権・著作権エスケープのための,以前,「○kgの肖像」で使った消しゴム版画ジェネレーターによるケイト。最近の画から。
 この機会にHPを探したら,ちゃんと公式サイトは,まだAerialのイメージのまま,稼働しておりました。
 今の若い子に,ケイト・ブッシュというと,あぁ,あの「恋のから騒ぎ」のとなるので,おじさんは結構がっくり来ます。Mike Oldfieldがあの「エクソシスト」のと言われ続けて気分を害していたのと同じで,日本でのプロモーションに一役買おうが止めて欲しかったなと思う次第です。そんなイメージで売って貰わなくてもと思います。故人である初代ファンクラブ会長の中尊寺ゆつこさんは,どう思われていたのでしょうか,気になります。

 さて,このアルバムですが,ケイトは母親になり,危なげなところが無くなりました。一番狂的なアルバムである“Dreaming”にしてももちろん計算されてやっていた部分でしょうけれど,誰にも真似できない,ガラスのナイフを持って,あるときは緩やかに,又あるときは激しく舞うようなアートが真骨頂だった彼女は,それを残したまま母性をも手に入れて完全体となったような,不思議な心地よさのあるアルバムになっております。




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この2枚のCDからなるアルバムのSky of Honeyの方に入っている“Aerial Tal”という短い曲では,SEの鳥の声にかぶせて,ケイトが,鳥の囀りをミミックしております。私は,多分,ツグミ類だと思ってこの曲の中から鳥の声の波形とソナグラムを引っ張り出してみてみたくなったので,曲をspwaveでaiffに変換して,Raven(またあらじー Never more参照)で読み込んでソナグラムパターンと一緒に見ました。
 他の画像同様,クリックしていただくと,大きくなって読めると思いますが,3つある下のパターンが“Aerial Tal”のもの。上は,英語版Wikiのマルチメディアデータから取ってきたクロウタドリの声。もの凄く響く録音になってます。
 後半,13sec当たりからソナグラムが変わっているのは,ケイトが鳴き真似をかぶせている部分です。フィールドに遊びに行って,息子さんにそうやって鳥と一緒に歌を唄って聴かせているのではと思ったりします。息子さんの画が,ジャケットの様々なところにちりばめられていて,ああ,母親してんだなぁと父親している私が思っております。

 てなわけで,大体,この手のさえずりは,Blackbird Turdus merulaかその辺りかなと山勘で思ったのですが,実際比べてみると,囀りのパターンは,Blackbirdに比べると,そもそも音圧が違うので,比較はかなり難しい。ケイトが使っている方は,かなり押さえた囀りで,うーん,これは分からなくなりました。
 囀りには,ローカルな方言や,他の鳥のフレーズのパクリが入ったり,知識がないとさっぱり分かりません。コウモリの声のようにロケーションという物理的機能による淘汰圧がかかる性格のものではありませんし,ぬきんでてメスを引きつけようとする機能があるわけなので,同じ種でも,もの凄くバリエーションがあります。まぁ,イギリスに分布しているツグミ類の確率が高いという仮定で行ってみて,機会があったら,この囀りが何のか,あちらの鳥の研究者に聞いてみましょう。
 今のところ,この囀りの鳥の種名に言及しているテキストは,もちろん海外のものを中心に探して見ましたが,見つけておりません。
 んなこと,気にする奴が居ないだけかとも思えますが,この音声パターンの鳥,ジャケットにもなっていると思われるわけで,気になるじゃないですか。しかも,“Aerial Tal”には,そのジャケットに使われた信号部分は,見受けられないのですよ。多分,ジャケットデザイン用に別サンプルのパターンを使ったのか,あるいは,全く違う音源,それこそ,フェイクなのかも知れません。

 謎は,今回は解けませんでした。


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追記ー鳥屋の知人のヘルプを借りて,ツグミ類にしては,録音状態を加味しても,響きすぎで,もう少し小さな鳥。例えば,ヒタキ系,オオルリ,ノゴマ,アルバムのためににサンプリングされた,その地に住んでいるか分からないけれど,そんな感じだとアドバイスをもらえました。彼女は絶対音感を持ち,楽器もやるので,同じ鳥屋でも音声的なアプローチにも強い人です。囀りの個体識別など,トレースできる人間は限られてます。彼女の鳥の見方を見ると,音楽的センスのない鳥屋は,片肺飛行みたいなものかと思ったりします。私はどっちにしても鳥音痴ですが(でも,偉そうに鳥で個体群生態はやっていて,某分野では研究者にカウントされてますが),このブログを借りて,手習い,初歩の初歩からやってみようかな。
 案外,分かりそうです。やはりちゃんとプロに聞きましょう。

 そういえば,と思い出したデビット・リンチのブルー・ベルベットの剥製写しエンディングは,多分,コマドリでしたね。あの手抜きの剥製の脱力が,リンチらしさなんだろうなぁ。
Commented by kyoko_fiddler at 2006-12-06 15:28
ケイト・ブッシュを初めて聴いたのは、まだクラシックしか知らんかった中学生時代で、ひょえー ここまで壊れたフリできたら、キモチイイかもなーと、ぼんやり考えたことを覚えています。確か、友人がカセットに入れていろいろ取り混ぜて聴かせてくれたのですが、森田童子が一緒に入っていたような… 爆。
最近、資料で 昔のブート映像を観ることが多く、リアルタイムで生きていたはずなのに、それらを全く知らずにぼーっとその時代を通り過ぎていたことに気付いて臍をかむ事ばかりです。
昨日は、アフロディーテ音楽祭(ご存知でしょうか?)のピンク・フロイドのライブ映像を観ましたー。
Commented at 2006-12-06 18:05 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by complex_cat at 2006-12-06 21:08
kyoko_fiddlerさん,森田童子,ウン,知ってます。唄うまいとか下手とか言う次元でないところの方ですね。
 ケイトは,狂的にユニークながら,とてもメロディアスというところに参りました。デビット・ボウイのことを歌った歌とされる「少年の瞳を持った男」など,もの凄く綺麗なバラードですが,彼女しかつく連ナーと思いました。あれ16歳の時の曲でしたね。
 アフロディーテ音楽祭にPinkFloydが出てたんですか。うーむ。
Commented by complex_cat at 2006-12-06 21:09
カギコメさん。ご連絡有り難うございました。ほっと一息。
Commented by einnonti's at 2006-12-06 22:41 x
カレンダー、本日届きました^^
可愛らしい写真にキャーキャー言いながら、一枚一枚見ています。
お気に入りの写真も入っていて、しかも、チコちゃん・公陳丸君バージョンの2つも!
本当にありがとうございました。
カレンダーの事、ブログに書いても大丈夫でしょうか?
何か問題がありましたら、仰ってください^^
Commented by complex_cat at 2006-12-06 22:52
einnonti'sさん,同じ関東でもずいぶんタイムラグがあるのですね。安心しました。どうぞ,ブログにお書き下さい。
Commented by beatlose_z at 2006-12-06 22:59
恋のから騒ぎというのでピンときました。
アルバムのジャケットかっこいいですね~
鳥の鳴き声の波形がレンズのエレメント構成図に見えちゃいました(笑)
Commented by complex_cat at 2006-12-06 23:20
beatlose_zさん,天才美少女だったのですよ〜。
彼女の作品,見て聴いていただきたいのは沢山あるのですが,
中期の傑作“Running up to that hill”をご覧下さい。
http://www.youtube.com/watch?v=_BZsXVf6INc&mode=related&search=
ライオンハートスタジオでの幻想的なパントマイム要素の強いダンス。そして名曲の総合芸術です。
「恋空」なんかに使って良い音楽ではないです。
どうせ今更だし,誰も言わないでしょうから,私だけが抗議しておきます。
 こっちの,無名のミュージシャンのトリビュート,格好いい。
http://www.youtube.com/watch?v=u0f2aZgttpk
Commented by complex_cat at 2006-12-06 23:41
16歳の時の作品で,絶品のバラードです。
誰も作れない曲想,でもメロディアス。
“ The Man with the Child in His Eyes”
http://www.youtube.com/watch?v=SKNBMLK6Xc0
弾き語りバージョン
http://www.youtube.com/watch?v=N0RsZelsW6w
私の中で,アイドルと呼べる人は彼女だけです。
Commented by complex_cat at 2006-12-07 00:12
止まらなくなりました。
PVのおもしろさもあって最高なのはこの4品。
Experiment IV
http://www.youtube.com/watch?v=9DVvrcFi4M0
ライブ・バージョン(口パクみたいですが)
http://www.youtube.com/watch?v=xuQ530tJXmI

“Cloudbusting”
気象コントロール装置オルガノンを開発中の博士とその息子(ケイト)。実験中,政府の組織により拉致される父親の姿がデジャブとなる。彼は父親の意志を継いで実験を成功させられるか。少年役のケイトの演技が可愛いです。
http://www.youtube.com/watch?v=qO8zr31R0c8

“Dreaming”
最も狂的なアルバムの中の最も狂的な曲
http://www.youtube.com/watch?v=0wkkuaTvIso&mode=related&search=
彼女の場合,ダンスもパフォーマンスの一部なので,口パクなんてものじゃなくて,自分の曲をかけながら踊るというのも有りです。
http://www.youtube.com/watch?v=zUQiG2zNdZw

CD版Whole Storyには,入っていませんでした。
The Big Sky
http://www.youtube.com/watch?v=LeAmhTG8oa4
無邪気に踊りまくる表情がスキです。
惚れてたなぁ。
Commented by kyoko_fiddler at 2006-12-07 09:50
ケイト・ブッシュ リンゼイ・ケンプに参加したことなかったでしたっけ。観たかも…。  なんだか混沌として記憶が曖昧なままです。 …中学のときに聴いた音楽は 脳みそにひっかけたまま 何故か全て封印してることに、今気がつきました。何故だろう…。
もういちど聴いてみよう。
Commented by neko-no-mori at 2006-12-07 14:53
ケイト・ブッシュが踊れる人だと始めて知りました。
リンゼイ・ケンプの元にいたんですね。
リンゼイ・ケンプと言えば、デビッド・ボウイしか知りませんでした~。

以前ずらっと並んでいたCDジャケットの中の赤いトゥシューズ、
気になっておりました。ケイト・ブッシュだったんですね。
思わず、密林でポチッとやってしまいました(^^;)
Commented by complex_cat at 2006-12-07 21:04
kyoko_fiddlerさん,Kate Bushを読み解くキーワードとして,Adam DuriusとLindsay Kempは,重要でしょうねぇ。David Bowieのように,Kempのカンパニーで踊っていたかどうかは,私には分かりません。
 封印溶いてくださいませ。
Commented by complex_cat at 2006-12-07 21:08
neko-no-moriさん,Red Shoesに目を付けられていたとは,さすがです。あの踊りを止められなくなる靴の話からの劇で,短編のミュージカル仕立てになっているLDを持っております。それも,結構貴重なものです。
 彼女は,活動期間を考えれば寡作です。全部そろえられても決して後悔しないアーティストです。
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by complex_cat | 2006-12-05 23:03 | Incoherent Music Box | Trackback | Comments(14)

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