自動撮影デジタルカメラ
2006年 12月 07日

自動撮影装置が捉えた黒猫の話で,デジタルカメラを改造した自動撮影カメラの瑕疵を書きました。実際,セキュリティ分野とかで普通に赤外線センサー反応式のムービーカメラが使われるように,AC電源のあるところでは,何も悩むことはないのです。
PENTAX Optio W20

問題は,人跡未踏とは言いませんが,クルマではアプローチ出来ない場所に自動撮影装置をかける場合,デジタルは,その電池食いの問題による積層バッテリーなど,とんでもなく重いバッテリーを持ち込んでも1週間持たせることが不可能であるということと,自動スリープ機能がついていることから,コントローラーなどから一定信号を送って,眠らないように制御する必要があるということなどが,フィルムカメラに比べると,とんでもなく面倒な部分です(一部にスリープモードに入らないようにオフに出来るモデル有り)。当然そのコントローラーも電気を食いますわな。
PENTAX Optio W20

で,とりあえず,何とか使ってみようということで,1台テスト機が来ました。実戦投入まで,いろいろフィールドテストをする必要があるのですが,とりあえず,チコの戻ってくる時間帯,猫ドアの前に仕掛けてデータを取ることにしました。今は,外に出してやるのは,玄関や勝手口から,私,ワイフ,長男のいずれかが出してやってますから,帰ってくるときだけしかチェックできませんが,それでも数日間,仕掛けておいてみることにしました。野ざらしにしても良かったのですが,とりあえず,室内使用でのテストから。
PENTAX Optio W20
公陳は,どうも嫌がります。作動音は僅かですが,パシパシ光るのがやはり,落ち着かないよう。警戒して,ここから出て行かなくなりました。

チコは気にせず,いつも通り出入り。しかし,帰ってくるの2:11amかよ〜。
PENTAX Optio W20
「目覚まし時計が鳴る直前にチコに起こされたんだよ〜」「もうちょっと,寝ていたかったときに・・・うるさかったよ〜」と,長男とワイフがぶーぶー言ってました。二枚目と直ぐ上の画が,その直後,餌貰って出て行ったときの画像ですな。
そのとき私は,「爆睡父さん」だったもので,知りませんでした。はい。

Pentaxの全天候型コンデジはPotio WP, WPi, W10, W20と来てますが,短時間なら浅海での使用も可能で,シーカヤックのサークルなどでは,メンバーのほとんどが,使っているカメラがこれだったりした時期がありました。
この分野の解像のベース機体にするには,デジタルカメラは,最悪です。製品寿命が短いために,直ぐにベースの機体を代えて新しいモデルに対応するための作業をしなければなりません。改造のノウハウや手順もリセットとなります。もちろん,メーカーは,このような改造用ベースモデルの使用を前提にデジカメを作っているわけではありませんので,仕方のないことです。
実際使ってみると,電子レリーズであっても,単純に通電すればすぱっとシャッターが落ちていた,かつてのフィルム一眼レフのリモコンと違って,かなり制御的に微妙なのか,ストロボチャージのタイムラグとコントローラー制御の問題なのか,元々のシャッタータイムラグ以前になかなかシャッターが切れなかったり,,シャッターチャンスに強い自動撮影装置ではないことは,はっきりしています。
Pentax Optio W系のウォータープルーフ・コンデジは,このタイプのものとして,レンズが繰り出さないしとても好感を持っていました。カメラメーカーらしくよく練られていて,プログラムAEモードでもちゃんと絞りとシャッター速度が出ますし,リアルタイム・ヒストグラムもモニターに出ます。が,シャッターボタンやスイッチの節度や使い勝手は今一かな。でも,PL法などを考えなくても,ウォーター・プルーフ型のコンデジは,扱いがハードになったり,スペックが微妙であるということからのトラブルは多いでしょうから,どこのメーカーも,なかなか手を出しにくい分野だと思います。
結果,このシリーズとOlympusのμシリーズだけが,ハウジング無しで水ジャバジャバ出来るデジとして存在するだけですが,あっちは,測ってみると電流を結構食うそうですし(これは,電池の容量が決まっている自動撮影では不利),中を開けてみると作りがいまいちであるということが,この自動撮影カメラを製作されたエンジニアの方のお話から分かります。E-1は良くできているそうですが,私も昔OMシステムを愛用していましたが,その頃から,思いつく瑕疵を言ってみると,ほとんど変わっていないという印象を受けました。
ノート・パソは差別化のために,ヘビーデューティ,全天候市場が賑やかだそうですが,パナ当たりが,素のままでウォータープルーフで使えるコンデジを作ったら面白いものが出来るのではないかと思ったりしております。
さて,こうまでして,野外の野生動物用自動撮影装置のカメラをデジタルにするメリットはとなると,もちろん,撮影枚数とランニングコストの問題は大きいです。使用機は,コンデジで,今時の高画素で7M機ですが,1Gのカードを入れておけば,中程度の圧縮レベルで300枚近くは撮影できます。今行っているテストでも,何枚撮ろうが,基本的に全くお金がかかりません。そして,撮影された画をその場で見て,セッティングを変えるなどと言った対応が可能です。
また,フィルムに撮影データを写し込むレベルなんてものじゃないレベルで,EXIFに詳細データが残ります。入れようと思ったら外付けでGPS情報も入れられますし。
実際この恩恵が一番大きいような気がします。但し,私のようにデジイチに変態レンズを填めていると,レンズ焦点距離や絞りの情報は,どうしようもありませんが,
しかし,デジタルコンデジを使うもう一つ大きな利点があります。それは,ノイズレスで撮影が可能と言うことです。実は,野生動物において,瞬間的なストロボの発光は,余り問題になりません。これは,地域にもよりますが,山間部では,空鳴りの雷による発光は結構あります。夜行性哺乳類のほとんどは,雷のような瞬間発光を気にしません。むしろ,僅かにフィルムをワインディングするメカニカルノイズやAFの駆動音,そういったものは,彼らにとっては,要チェックの材料となり,撮影地点へのアプローチをためらったり,最悪の場合は,利用ルートを次回から避けるなどの反応をされてしまう場合があります。
今回のような良くできたコンデジは,作動に際して,全く無音というレベルで,何枚でも,撮影を続けてくれます。これは,当たり前といえばそうなのですが,フィルムカメラの自動撮影装置で20年近く撮影をしてきた身としては,かなり新鮮な驚きでした。
さて,猫ドアから戻ってくるチコが,機嫌良く,上手く自動撮影されてくれるかな。
すが(うんと小さいと言っても、上の子はある程度大きい)(笑)、
こんな時、2人でどんな風に遊んで過ごしているのか、見てみたい気持ち
になりました。ちょっとそんな事を思い出してしまった。
思いがけない様子のチコちゃんが写っていると、おもしろいですね。
帰ってくるところや出て行くときの画も,結構撮っているのでしたが,まぁ本当にお気楽で,好き勝手やってますね。
関東勢はほぼ全部届いているのですが。
AC電源というのが,通常はあって当たり前の世界なのですが,そこんところが一番,私の仕事場の特性なのかもしれませんね。
まさか,獲ったりできないと思うのですが,道路渡っているし(クルマの避け方は上手いのですが),行動圏は,既存データから半径100mくらいは覚悟してますが,困った子です。

