Diva in Nature forestー「ルネッサンス」以後の歌姫達2
2007年 01月 17日
「お城度」というパラメータを用いて,クラシカルプログレとの類似度を評価しようという初の試みの後編でございます。

Mike Oldfieldの商業的にもヒットした小品(初期の彼の作品は,大抵10分以上有りましたからねぇ),“Moonlight shadow”。アップした方が彼のお姉さんのSally Oldfieldが歌っていると勘違いしたようですが,すかさずコメントに「このボーカリストは Maggie Reilleyだ」という突っ込みが入っております。
Maggie Reilleyの声は,Mikeの初期の大作「呪文」ーIncantationsのMaddy Prior と Sally Oldfield,Anny Haslamに通じる,ブリティッシュ・プログレには必須の透明感のある素敵なものです。ポップな曲を歌うと,Annyが唱っているような気がしますが,実際Annyが唱ったバージョンも彼女のソロアルバムに入っております。
PVでは,月明かり森の中,暖炉に火がともされたお城が,皆の服装はゴシック系じゃないし,あまり意味ないかも。でも「お城度」4。

で,こちらが,本当のSally Oldfield。「エクソシストのテーマ」に曲を使われてしまいある日から,見たこともない大量の人間が自分の友達だと言い張るようになって精神を病みそうになったミュージックコンポーザー&マルチプレーヤーのMike Oldfieldのお姉さん。「のだめ」の千秋真一君が飛行機恐怖症なのは,それが理由で日本公演が出来ないMikeの話からインスパイアされたわけではないとは思いますが・・・
私自身,MikeとSallyが十代の頃作ったフォーク・デュオ・ユニットThe Sallyangieを聴いてからの付き合いです。さすがのYouTubeでも探し尽くしても,これ一曲。彼女,最近はスピリチュアル路線になって,あっちに行っちゃっても悪いとは思いません。ずいぶん彼女の曲には慰められたものです。最もアルバムの出た時代は80年代から90年代ですので,まぁ,Annyと同世代と考えるべきですが。あれ,2005年にアルバム出てるよ。知らなんだ,注文しなくちゃ。
日本では,スピリチュアルな分野,印象としてもの凄くうさんくさい人たちが固まっております。おそらくTV産業に組み入れられてしまう人が居ることと,キリスト教や仏教などの古い宗教的背景から逸脱した新興宗教,もしくはろくな宗教観もないところから出てきてしまったのを,また同じような人が鵜呑みにして評価してしまうことが多いこともあるかと思います。多様な価値観の中,時空を超えてテストされていない宗教は,基本的に危ういところがあります。まぁ艶々で太った怪しいおっさんが宗教の集金システムだけ借りて宗教だと言い切るのでなければまともなのもあるかも知れませんが。



で,もっとメジャーなところを。といってもEnyaよりは知られておりません。日本では,カナダのエンヤなんてコピーがついてましたが,彼女に失礼ですな。CDは全て買い続けておりましたが,彼女自身,婚約者,噂によると両親も事故で失って,この9年間活動を休止していました。どおりで出てないと思いました。COMPELX CATの記念すべき1回目のアーティクルに,My favorite artistとして上げながら,このアーティクルに登場するのは,初めてのLoreena Mckennitt。昨年11月に彼女の思わぬ復活に,涙したファンは少なくないはずです。YouTubeもこの辺りは,誰にも荒らされずにファンだけが見ておりますね。
大好きなロリーナ,復活の勇気は並大抵ののもではなかったと推察します。おめでとう。もう一つ名曲を。この書きためていたアーティクル,もう少しまともな状態でリリースしたかった。Loreena McKennitt - The Bonny Swans。ファンは,あなたを失わずに済んだようだ。ファンの書き込みをそのまま信じれば,この佳曲PV製作の前後,婚約者はボート事故でなくなったそうです。
彼女の思いが交錯します。
クラシック・プログレ・ウイルス保菌者の方は,かなりEnyaなどアイルランド系アーティストとの邂逅があったのでと勝手に想像します。わたしもそうで,IonaやSirisなど,好きなアーティスト,グループは少なくありません。で,そっちの話に膨らますと収拾がつかなくなるのですが,Enyaには長期間ははまり込まず,彼女の方を選びました。カナダ在住,アイルランド系。年齢は分かりませんがAnnyやSallyなどの下辺りか。前回アーティクル「「ルネッサンス」以後の歌姫達1」に比べると,こちらの方は皆さん年齢が高いです。ただ,民族系への思いこみか,声は衰えなど全く感じませんね。自動車事故で亡くなったフォルクローレのDuo,Cristina & Hugoの奥さんの方。グラシュラスサーナの姉上だったCristinaも酒タバコなんでもござれの,ある意味化け物でした。
ハープをメインとしますが,アコースティックな楽器については多芸のようです。ものスゲ〜格好良いお姉さんだと思います。ヨーロッパのトラッドフォークの香りには,クラシック・プログレ・ウイルス保菌者は弱いはずです。吟遊詩人が歩いていく先にはお城が出てくるかもしれませんから。
「お城度」5

で,最後はKate Bushです。自然派とか,簡単なカテゴリーで収まりませんが,まぁグリンピースのバックアップにも参加,お母さんになって自然派要素高まりました。私の永遠の歌姫。彼女は,特に若い頃は,撮る写真で,全然イメージが変わりましたが,Phoebe Cates,いや今時だと,Leah Dizonにも負けない清楚さとエロティックさが混在したこの一枚と“Moving”の一声で,虜になった人は少なくないと思います。ロック関係の辞典では,この画が良く使われておりました。
バックはやはり豪邸。PVに出てくるライオンハート・スタジオとか,本人のお住まいとか,気がつくと「お城度」高いです。
というわけで,今は明確に自然派の彼女,「お城度」5.5
16歳の時の作品で,絶品のバラードです。
誰も作れない曲想,でもメロディアス。
デビット・ボウイのことを歌った歌と聞いていたが,資料が見つからない。
“ The Man with the Child in His Eyes”
その弾き語りバージョン
PVのおもしろさもあって最高なのはこの4品。
Experiment IV
ライブ・バージョン(口パクみたいですが)
“Cloudbusting”
気象コントロール装置オルガノンを開発中の博士とその息子(ケイト)。実験中,政府組織?により拉致される父親の姿をプレコグニション(予知)で見て動揺するケイト。彼は父親の意志を継いで実験を成功させられるか。少年役のケイトの演技が可愛いです。
“Dreaming”
最も狂的なアルバムの中の最も狂的な曲。オーストラリアにいたときのことがモチーフになっているようですが,アボリジニに対してかなり差別的なものを含んでいるような批判もありました。そういう批判は確かに分かりますが,彼女が異民族の文化に興味があることは確かなようです。それを,勝手に自分用のアートに使うところが,批判の焦点です。これは,アボリジニが最大の文化的侵略の書として批判している,ニューエイジの聖典,大いなる偽書ミュータントメッセージなどにも通じるのかもしれません。支配してきた白人種の人間がアートとしてのモチーフに使い経済活動に利用するには,聖なるもの,微妙なものを含みすぎているのかもしれません。
CD版Whole Storyには,入っていませんでした。
The Big Sky
無邪気に踊りまくるケイトの表情がスキです。
そっちに書きました。よろしくお願い申し上げます。

