鳥の季節1
2007年 01月 20日


おそらく崖地上で,アカネズミ(こう書ききるのは,現地の利用環境から森林性の小型哺乳類として,他の種の可能性は考えられないからです)を捕食するか何かで地上に降りたところを偶然そこに待ち伏せしていたテンあたりに襲われたものと思われます。
ガイシャの肉片が綺麗になくなっているのは,他のハシブソガラスや小鳥類に死体がついばまれたからだと思います。相当激しく抵抗したようですが,「夜の王」も,いきなりイタチ型の捕食者に襲われれば,なすすべはありません。
以上,ゲンバからでした。
少年期に読んでいた「シートン動物記」は,お気に入りだった「ファーブル昆虫記」に比べて苦手でした。子供心に科学ドキュメンタリーの体をなしていない気がして,何となく,読みにくかったのを覚えております。作者の想像や主観が多すぎるのような気がして,それで疑問が膨らんでしばしば作品世界に入り込めなかったからです。まぁ,シートン自身のキャラクターもありますが,場合によっては飼育ケージ内に入れることで,目の前で生活史のかなりの部分を克明に観察できる昆虫と違って,神の視座でも持たぬ限り鳥類はともかく,特に哺乳類やフィールドでかいま見られる部分は,非常に断片的だからです。だから,私には,シートンの想像部分がとても不遜に思えたのです。実際,野生馬に自殺させちゃったところもありますし。でも,物語として,きざ耳ウサギとかオオカミ王ロボとか好きな話も沢山ありました。
今は,彼の誤解のある部分も感じつつも,見えない部分を補うべき磨かれた彼のフィールドでの生物を理解するセンスと作品の素晴らしさとが分かります。ということで,不遜な想像のお話を書いてみました。
我が家は,一応市街地の外れにあり,コアな自然環境は擁していないので,チコが獲ってくる野生生物へのインパクトも最小だと思っていますが,実際に里山で好きかってやっている猫は,かなり優秀なハンターです。国内外問わず,自然環境が豊かなところで生活する場合は,本当のことを申し上げれば,飼い主も,自分の抱える猫の自然へのインパクトをある程度自覚する必要があると思います。まぁ,そんな場所は,ごくごく僅かですが。
死体の放り出されていたのが林道の目立つところというのを理解する上で,テンのハンティングや行動など,少し情報が足りませんので,テンというのはまだ,容疑者の段階ですが,現地の環境と,これだけ大型の猛禽を夜間にしとめられるとなると,あまり他に考えられないのも事実です。
あんまり見たことないのでガ-ンですよ。
貴重な夜行性猛禽類,特に南九州では,森林性のネズミの密度が薄いので保護は重要です。文献に寄れば,子育て中は1日に20頭近くの野ねずみを捕獲する必要があるようです。
フクロウの死も自然の摂理なので,これを言っては身贔屓になりますが,思わず,『もったいない』という言葉が出ました。