不二家埼玉工場周辺環境をネズミから読み解く
2007年 01月 26日

ニュースソースは,きわめて不十分で,ここで,ネズミと書かれているのは,おそらくヨウシュクマネズミと考えられます。本来は森林性野鼠であり,樹上性で立体空間利用はお手のもの。運動能力も高く,サイズも場所を選ばねばならぬほど大きからず,ハツカネズミほど脆弱ではない,人間の居住空間などに最も上手く適応できたイエネズミです。
ネズミッたって,世界で2000種,日本でも亜種を入れれば20種以上,そういう動物名が定着しているのも,しょうがないのですが,種名については本来は重要な情報ですが,欠損しているので,あくまで,もしも,クマネズミであったらという前提でのお話です。
クマネズミは本来は森林性であったことから,森林崖っぷちや樹上に営巣できるわけで,おそらく,工場に最初に入ってきたものが工場内だけで増殖したとすると,その入ってきた奴はどこを根城にしていたかと思ったりするわけです。
というわけで,我が「チコべぇ探偵事務所」のショチョーであるチコの話から,工場の周辺に,一定の林分が有るはずと読んでおりました。衛星画像を見たら,やはりそのような場所に立地してました。インセットでは,より広域な人工林環境の広がりが見られます。人工林は,クマネズミの一時避難場所として天敵がほとんど皆無なので,そういった意味でもありがたい隠れ場所です。工場内に侵入できるダクト,隙間があるのでしょうから,完全に取り尽くしても,エスケープする場所はありますし,一旦波が引いてもふんだんにある餌を目指して侵入圧は常時かかっているでしょう。数個体が残れば,あっという間に盛り返します。もちろん工場内部でも,入り込んで営巣する隙間はかなりあったと思います。しかし,それなりに何度か徹底的な駆除をやっても周辺の家屋や森林にエスケープした後,リターンする個体が居る限り,効果は上がらなかったでしょう。全く何もしなかったとは思いません。むしろ獲っても獲っても,ネズミが常在化している状況に工場関係者が慣れてしまったのではないかと思います。
何日間か工場の稼働を止めて進入路となるところをシーリングしたり,二重化した後,ネズミを取り尽くす。それが出来なかったのでしょう。
今,野飼いの地卵や鶏肉生産の場には,周辺から凄い勢いでクマネズミがやってきてます。鶏の餌にアプローチし放題なので,獲っても獲っても増えるのです。
おそらく,この近辺の住居では,これだけの餌資源供給源があったことから,唯で済むはずはないと思います。近隣でもクマネズミの被害が出ていたのではないでしょうか。クマネズミは立体空間を移動するので糞や毛などもフロアーに転がるだけでなく,上から落ちてきたりする可能性もあるわけで,その状況を押して操業を続けていた見地はどう考えても,褒めたものではないでしょう。
今,日本では多くの食物は,衛生的な工場で生産されていますが,それが,本来の食べ物というわけではありません。魚の捕れる海に消毒薬はまかない理屈です。
この工場の衛生管理責任を責めるのはよいのですが,いかにも,汚いという話を,エンドレスで広げていく感性には,少し嫌な物を感じます。汚かったことは分かった。OK,企業側として致命的な衛生管理の瑕疵です。でも,必要以上に綺麗ごっこは止めましょう。汚いねー,酷いねー。OK,それぐらいで終わりにしましょう。
軽蔑して,買わないだけ(もともと,ここの製品とは縁がない)。幼年期,まだ,ホームメイドのケーキが一般的でなかった頃,ここの脱脂粉乳の生産過程で出来る残差を使ったバタークリームのイチゴケーキは,私にとって「ケーキ」という食べ物の概念を決定的にして,ホームメイドケーキのショップが,街角にちらほら出来てくるまで,一切その手のものを口にせず,虫歯に成らずに済んだという,いわば恩人でもあります。
石は投げない。それでよいでしょう。歯がみしている心ある従業員だっているでしょう。生活を抱えてね。ここが真に子供に愛される,お菓子を生産する企業になれば,社会的利益ですよ。叩けば,ただマイナスが増えていくだけ。過剰反応や,隠蔽が繰り返されるでしょう。雪印の教訓とか言いますが,ホントの話がばれたら,乳製品とは無縁の人間までリンチに参加するということだけを学習したと言うことでしょう。それは,拙いですよ,やはり。
人様の口に運ぶ者を作る業種として,問題の本質は,確かにそこなのですが,あまり,バッシングが続くと,天の邪鬼縄田氏は,
「汝において,顔よりニキビダニが出でぬ者だけ,どんなことがあっても糞を垂らさぬ者だけ,性交時,性器をわざわざアル綿消毒する者だけ,石を投げよ。」
と,呟いてみたくなります。何はともあれ,健康被害者が大量に出る前で良かったかも。

すぐ隣が所沢。東京のベッドタウンといえどもまだまだ田舎です。
狸がたくさん生息している。
私から見れば、会社の体質もあるのでしょうけど、仕入れ担当者が無能だっただけでは?とも思います。
結局管理職の能力がなかった、ということに繋がるんでしょうけど。
在庫を抱える、というのはつまり仕入れ・生産量の管理担当者の責任ですもの。
何も考えず生産をしていたとしか思えない。
データをちゃんと活用していれば、需要と生産にそれほど誤差が出るわけ無いですよ。
野球場のそばの弁当屋じゃあるまいし、そんなに天候とか外部からの影響にに左右されるとかないでしょう?
自社の能力を超えた経営戦略をとっていたのでしょうね。
資本だけでなく、人材も大切な懸案要因ですもの。
でも不二家を追い出されても、武蔵野の自然が多少なりとも残っているので、ネズミさんも生き延びていくでしょう。畑もいっぱいあるし。
このあたりのクマネズミを押さえられないので,工場内に残差を残さないことと,廃棄分の適正処理,構造のクローズ構造の強化などで対応するしかないと思います。そのあたり,あまりちゃんと理解されていなかったのでしょう。