立体空間利用とホームレンジ
2007年 02月 16日

ひたむきで真剣な顔をしている猫ほど,可愛いものはない。
イエネコのホームレンジ(行動圏)はデータが取られた仕事を見ると意外なほど狭いのです。文献は後日探しますが,最大レンジ長が約100mm,すなわち1ha程度あたりの数値に収まったと思います。これは,人工空間で餌を得ているデータだったと思いますので,給餌場所など要所を押さえれば,野生動物と違ってそんなに広い面積を必要としないと云うことで直接的な比較は意味をなしません。イエネコの祖先リビアヤマネコでは400ha前後のデータを見たことがあります。更にその祖先系のベンガルヤマネコの島嶼亜種であるイリオモテヤマネコでは,ホームレンジサイズは,雄で200〜400ha,雌で100〜200ha。同じ肉食獣で考えると,例えば体重4〜7kgのホンドキツネのホームレンジ(行動圏)は250〜1,900ha程度の行動圏を持つとされております(Nakazono,1980; Takeuchi and Koganezawa, 1992)。これは,オープンフィールドでの追跡型と,森林内での待ち伏せ型の違いによるところもありますし,立体空間利用をするハンティング・メッソドを持つか持たないかと云うことが多分に効いているのではと思います。ネコの眷属の方が,採餌面積はより狭くても良いと云うことになるのではと考えられます。
飼い猫にそんなに広い範囲動かれた日にゃ,飼い主は困るでしょう。イエネコの場合,餌資源を得るポイントが一カ所,しかもそこで全部得られるから,それほど動き回らなくても良いと云うことで,ある意味当たり前です。逆に言えば自前で狩りをしてやっていかねばならない場合,その環境の資源量・分布にもよるでしょうけれど,数百haの行動権が必要と云うことです。家畜であるイエネコの状況はご先祖様の状況と考えると,他の個体との距離が近くあまりにも乖離しておりますが,逆に言えばそれに適応してくれている云うことです。このあたりの融通の効き方が,哺乳類のありがたいところですが,彼らと暮らしたい人間は感謝したいところです。で,これは野生動物全般に入れることですが,人工資源依存すると,行動圏は縮小して,更に高密度化出来てしまいます。タヌキなどの問題がそのあたりのことを如実に表しております。
完全野生化したイエネコについては,国内ではデータは取られておりませんね。餌を得るために必死で動き回っているヤマネコに比べて極小なのは当たり前といえば当たり前です。追跡型でない猫族は,もともと,最小限の動きで餌が得られれば,そんなに無闇に動き回る種ではないと思います。
北関東のとある集落で,集落全部が犬を放し飼いしているところがありましたが,朝,数頭で連れ立って,十数キロさきまで遠出をしているのをよく目撃しました。犬の場合,ご先祖様を倣い餌をもらえる飼い犬でも,猫みたいに飼うと驚くほど行動圏は広いです。
尚,ホームレンジは,定常的に動き回る範囲ですが,繁殖期や社会的なインタラクション,更にはその地域の餌資源が枯渇したりして,ホームレンジをシフトさせる場合があります。ホームレンジ・シフトというやつですが,実際の所,いつも通りのホームレンジの枠内の移動なのか,そういった移動(migration)なのかはそれなりに十分にデータを積み上げて結果として分かることです。
ああ、部屋の狭さがバレちゃった。
ウチの耳の尖った息子達の方がやりたい放題で,お気楽すぎるかと。
私は布団の中でゴロゴロするだけでよいです。
対抗して作ろうかな。
ドアノブをいじれる猫には,まだあったことがありません。我が家では締め切ったりしないからかもしれません。チコが夜帰ってくると,ロックしていないドアを押し開けて閉めませんので,すきま風が入ってきます。

