食べられるものと食べられないものの関係
2007年 07月 26日
「こ・れ・は・食・べ・ら・れ・る」「こ・れ・は・食・べ・ら・れ・な・い」。
二つの分類さえ覚えれば十分だと言った友人が居ました。
クマノコガイ。こちらではクロニナと呼んだりしてます。もちろん食べられます。とても美味で酒のつまみに最高。私のフィールドの師匠が15分ほどでコンビニの袋一杯集めました。
残念ながら,この蟹ではありません。スベスベマンジュウガニは甲羅に怪しい紋様があるので直ぐに分かります。
こちらも入れ忘れの追加画像。シャコか三葉虫みたいなヒザラガイ。実は美味しかったりします。ただひっくり返して撮影するとR指定になります。
同じ等脚類には幼児の友達ダンゴムシや今,話題のオオグソクムシなどがあります。息子達に見せたら,何度もリクエストの続く「デイリーポータルZ」のオオグソクムシ(×大糞苦蟲 ○大具足虫)。大顎が結構ガチガチ強力そうで,最初はデトライタス食かなと思いましたが,ゴカイなどを相手に捕食もやりそうです。なかなかファンキーな面構えで,こういうのが群れていたら,気を失う人も居そうです。日本近海の種では12cm程度のようですが,海外では30cmぐらいになる奴もいるそうです。
野外における危険な生物
日本自然保護協会 / / 思索社
この本では,その毒鍋中毒死事件はスベスベマンジュウガニの項に載っていますが,ちっぽけなカニを遇えて食べようとした人が居たとは考えにくかったので不思議だったのです。この機会に調べてみるとWikiのスベスベマンジュウガニのページで見る限り,同様の毒を溜め込んだかなり大型のカニ(ウモレオウギガニ Zozymus aeneusとツブヒラアシオウギガニ Platypodia granulosa)の話のようです。
貝毒と言いますが,貝の専門家に依れば,貝自身が毒を産生することはないと言うことで,要するに細菌や鞭毛藻など毒を産生する生物を取り込んだプランクトンを更に吸収して蓄積されることがあるようです。この毒素は,食物連鎖や周辺環境などの結果ですから,結果的にいろいろな生物が取り込む可能性があるので,スベスベマンジュウガニに限らず,同定に自信がない場合は大型のカニで肉厚で美味そうにしていてもうっかり手を出さない方が無難のようです。私の友人は,西表島の海岸でサバイバルをやっていて,ありとあらゆるものを食材にして,スベスベマンジュウガニにも手を出そうとしましたが,夕食前までに石を積んだ適当な「生け簀」からカニが逃げ出した御陰で,命拾いしました。ちなみに彼は今は海洋生物の専門家で知られております。
魚などではモンガラカワハギなども,南西諸島のリーフではそればかりやたら捕まりますが,地域によりシガテラ中毒が頻発するので図鑑によっては髑髏マークが付いています。シガテラ中毒は熱帯の海では広い魚群で発生します。ちなみに後輩が西表島でモンガラカワハギだけを20匹以上食べましたが彼はぴんぴんしていました。図鑑の髑髏マークを知っていたので,毎回ロシアン・ルーレットみたいな気分になったそうです。そうまでして食うなよ。
これも細菌や鞭毛藻などの毒素を珊瑚礁で採餌する魚が取り込んだもので,シガトキシン(CTX)、パリトキシンPalytoxin (PTX)、コノトキシン(こいつは11-30のアミノ酸が結合したペプチド毒で 鎮痛剤などへの医薬品応用開発で有名)など若干構成は違いますが,中毒の作用機作は同じようです。これらは,神経などのNa+チャンネルにはまり込んで神経伝達に係わるシステムを阻害する神経毒で,量が多ければ呼吸中枢を犯されておだぶつです。とても危険ですので気になる方は,以下のリンク、海生生物に係わる各種毒素に関する情報はこちらに詳しいです
今時は,ダイビングや海で遊ぶ人も,そのあたりのものに手を出して食べるなんて行動が出来る人間が良い意味でも悪い意味でも減ったので事故も少ないでしょうけど。マクロ生物系でも,自然豊かな場所に研究室がないと,そのあたり生物を獲って,その場で調理して食べるなんてことをやると,目を丸くする学生さんが増えました。
某原発近くのフナ虫は、放射能で漂流教室みたくならないかな、大きくなったら、食えるかな。
大きくするなら、オオグソムシの方がうまいかも、シャコ系の味かな、伊勢海老系の味かな、脳みそすすったらうまいかな。
午後から、健康診断のため、ただいま絶食中。
いつからか、磯遊びしなくなりました。立ち入り禁止区域が広がったせいもあって。実家の方にすごくきれいな海があるんですけど、密漁者が酷いことするから、景観そっちのけで海岸線に沿ってフェンスが張り巡らされています。
砂浜にぺたんと座っていると、ちょろちょろして、くすぐったいくらいのフナムシ、バタンと倒れこんでいたら、食われてしまうんですね。知らなかった。
ゆう猫からの伝言→もちろん、金沢特産の金箔を山のようにふりかけた「きびなご」でお願いします、、、、というのはウソで、ぴかぴかとれとれの普通の「きびなご」が一番です。生ビールもつけてね(^^)/ 以上でした。
海老蟹も苦手とされてましたね。ウチの女性スタッフにも昆虫の足の生え際が苦手という方が居ます。
いや,食い意地を後づけで理論化するとそうなるだけなのですけど。だってほら,美味しそうでしょ?
天然の銀色に輝くキビナゴが一番美味いですね。金のキビナゴだと,詰め物と一緒になっちゃう。
脚の付け根が…(すでに打っていてトリハダが)
それでもって、うぞうぞうごく「具足」の下が固いんだか柔らかいんだかわからない腹部がうごめいちゃうと、もうーーーーーー。
でも、正直いって、オオグソクムシは 見てちょっと笑撃でした。
うぎゃだけど、なんだか可笑しい。
世の中に、食べれる物がまだたくさん有ると言う安心感だけで、今日もぐっすり寝れます。
ちなみに、防災業界にも、備蓄倉庫という、食べ物を保存するのを躊躇するネーミングがあります。
今日は、下ネタでごめん。
ビチグソウンコいやビチクソウコ,まことちゃんみたい(古!)。深夜に何を書いているのか。
中国の人口に対する食糧生産能力比が猫を食べる(れる?)(なければならない?)文化につながる話、とても勉強になりました。
おっと、ここは、猫グルメのブログだったけ。
生きてる間にうまいものたくさん食っておこうね。
ではまた
私の田舎ではフジツボやカメノテがよく食べられておりました。
フナムシも調理いかんでは何とか食べられるようです。
下記参照↓
http://www1.odn.ne.jp/setsuna/zazamushi.html
こちらのページは「豊田家の庭」というサイトの1コンテンツですが、
管理人の方は生物系の大学でお仕事をされているようです。
生物に対する深い造詣と関心が感じられます。
サイトのTOPはこちら
http://www1.odn.ne.jp/setsuna/
他の食べ物に関する項目はメニューの「ざざむし」からどうぞ。
ただ正直に感想を言わしていただくと,以前ここで話題になりましたが,ミミズからフナムシまで「ムシ系」とまとめられているところが,同じ生物系でもそのものをまともに扱うわけではない外野の方ですね。何処を探せばフナムシが出てくるのか最初とまどいました。ミミズやフナムシをムシとしてまとめられる感性は植物生理,ミクロ系の方かな。或いはマクロ扱うも応用水産系か。プロファイルをすると力が入っているポイントが実験系の若い方だと思います。いや,ちょっと悔しかったものですから,ただの負け惜しみです(笑)。
でも詳細に読むとフナムシ一応毒ではないということですが,シャコと違って土左衛門を食べた未消化物が体に残っていた場合,食べる価値は無さそうなので,予想通りでホッとしました。「フナムシ意外といけて酒のつまみに最高」と嘘でも書かれていたら,完全に敗北宣言でした。
ザザムシは珍味扱いですが,フナムシは無理でしょう。フナムシは,食べられるものではなくて,食べてもしょうがないものというここでの評価と同じですね。足は海老みたいということですので,フナムシの足だけ集めるかな。