幼児語誘発信号

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こうやって,客観的に見ると,もはやどうやっても子猫には見えない,成獣の顔したユッチ。
 自慢じゃないけど,息子達3人,生まれたときから幼児言葉を使わずに接して,育ててきました。「どうちたの」とか,「ちょーでちゅかー」とか,「よちよち,わかりまちたー」とか,いくら我が子の可愛さに目がくらんでいるとしても,良いおっさんが気持ち悪いでしょ?
 いや,実際に使っておられる方,気を悪くしたらご免なさい。別にそれが嫌とか悪いとか云っているわけではなく,第三者が居ようが居まいが,私自身が使うこと自体が,そぞ毛立って許せないだけです。人のことは人のこと。
 

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もちろん,耳の尖った息子達である公陳丸やチコがご幼少(幼獣)の頃(ステージ)においても,そういう言葉で話しかけたことはありません。ところが,ナッチ&ユッチ,特にユッチを相手にしているとき,油断すると,それが出そうになるのですよ。大きくなって十分に成獣になった今でも,危ういのです。なぜだろう。脳みそが壊れはじめたからだろうか。

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いや,ワイフも同じようなことを云っておりました。彼女も,あんまり幼児語で息子達と会話するのが似合うタイプではなく,それを十分承知しておりますので,息子達やコウチン,チコに対して使っていたところなど記憶にないのですけどね。まぁ,ワイフの場合は,実際に,ナッチ&ユッチには「なんでしゅかー」とやっているわけで,それが聞き苦しいとは,私自身も思いません。




 昔,エレベータの中の会話が一瞬,途絶えてシーンとなる瞬間がなぜ起きるか,ビデオ解析により,私的空間が公的空間に意味変わりするという行動学的な解析をされたエポックな仕事があるのですが,それはこの本でも,非常に効果的に引用されていました。

ケータイを持ったサル―「人間らしさ」の崩壊
正高 信男 / 中央公論新社





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あんな具合に,ネコと接している人間自体も人間行動における深遠なる真理を導き出す材料にならんかどうかは別にして,ちょっと不思議。一つには,彼女たちが持つ啼き声の性質があるとは思うけど。とうのは,彼女らが何かのサインとして啼いた直後が危ない,そういった言葉が誘発されそうになります。コウチン,チコの年下の義妹というキャラクターとして,認識しているからと云うのも,寄与しているかも知れません。
 なぜそういうことをつらつら考えたかというと,ネコブログ,つらつら見ていると,若い,雌の個体に対して当てレコをすると,何となく,幼児語がはまるような気がするのですよ。みゃ♪さんのところのミケコちゃんのしゃべりも,そのほうがしっくり来るし。
 SFファンタジーの巨匠,日本のアーシュラ・ル・グインだと私が思っている萩尾望都氏がめろめろになったチー語(一応猫語の幼児語で人間には分からない)を操るチーだって,雌の子猫。
チーズスイートホーム (4)
こなみ かなた / / 講談社
ISBN : 4063722864







少年ジャンプが諸星大二郎の「暗黒神話」,『キャプテン』なんぞも載っけて混沌としていた時代「我が輩はノラ公」というジャンプには珍しい女流漫画家,菊地規子氏の最初にして唯一の作品。私は,床屋で読んでいたのですが,子供心に「これ少女漫画のセオリーで書かれているように思えて,それで居て結構面白いと思い,そして,何か,男どもが描く漫画に比べて精神年齢が高そう」という同世代の子供の精神年齢の性の違いに直接コミットする深遠なる真理を感じたのでした。
 このペット(の中の特別な一族,個体)が,人間語を話すという設定はその後,みかん・絵日記 (第1巻) (白泉社文庫)
安孫子 三和 / / 白泉社
ISBN : 459288115X
において,ネコを主人公にした漫画として一つの完成を見るわけで,これで良いおっさんが泣かされてしまうわけです。みかんの子供が出てきて更に話が広がるという流れは,「ノラ公」そのまま。分かることは,画が幼獣の信号を出していないキャラである限り,特に♂の個体は,幼児語を操ることはあまりないと云うこと。
クロ號 9 (9)
杉作 / / 講談社
ISBN : 4063375706


自由生活の猫の生と死を描いた「クロ號」だって,チビの最初から憎まれ口を叩いてます。面白いのは,「クロ號」の妹のチンコは,ほとんどボディランゲージで,設定場カタカナで表記される猫語も喋らせない。このあたり作者の性の問題も絡むかもしれませんが,幼児語誘発信号が,第一にその猫にかぶせるキャラによるものとしても,雌猫の場合は,何となく幼児キャラが立つと云うことなのでしょうか。そしてそういう反応が引き出されてしまう人間側にとっての意味は・・・とりあえず,本日この問題,思いつきで書いてしまったので,準備も何もなく,別の機会まで未消化で終わります。
Commented by j11l163 at 2007-10-04 22:50
もぉ  ねこちゃまちゃまかわゆい!
Commented by dojou7 at 2007-10-04 23:16 x
まごに当たるからではないでしょうか?
Commented by hamarie_februar at 2007-10-04 23:20 x
C_Cさん、お疲れなんでしょうね?もう風邪は治りましたか。
癒される気持ちをそのまま表現しちゃっていいと思いますよ。
性差はお書きのように受け取る側で作られていることが多いでしょうけど
そうは言っても「ムスメ」はかわいいってことですよね(^_^)

Commented by jinsei-rarara at 2007-10-04 23:23
こんばんはー^^
ユッチ、可愛い!!
二枚目なんて、こんな目で見つめられたら・・・
一枚目と三枚目は、どうしたの?って笑ってしまいましたー
Commented by pon at 2007-10-05 10:07 x
単に女の子だから、じゃないですか?
そういえば私もあんまり幼児語使わなかったなぁ~。
方言の割と強い場所に住んでいましたが、
よそ者の私達は標準語で話していたので
息子も小学校に入るまでは標準語でした。
小学校に入ったとたん、ジモピーになっちゃいましたけど(笑)。
友達の影響は大きい!
Commented by complex_cat at 2007-10-05 12:20
j11l163さん,どうも。ブログ拝見しましたが,写真,私の友人の写真を思い出しました。素敵です。
Commented by complex_cat at 2007-10-05 12:22
dojou7さん,脳が壊れ始めると,そういうことがあります(快楽ホルモン制御が変わるということか)。そのタイミングで小さい子供が居ると,可愛いという反応が強烈になりますが,我が家は,あんまり年齢差はありません。
Commented by complex_cat at 2007-10-05 12:23
hamarie_februaryさん,それです。猫嫌いの人なら,女の子なんて信号をこの写真から受け取れないと思います。何が違うのでしょうね。
Commented by complex_cat at 2007-10-05 12:24
jinsei-rararaさん,猫的に美女なのかどうか分からないのですが,少なくとも人間の目から見ると,チャーミングということかな。
Commented by complex_cat at 2007-10-05 12:43
pon さん,友人が,「やはり娘は違うんだよ〜」と言っていましたが,いみじくもそれが耳の尖った義理の娘でも証明されたということなのかな。おんにゃのこ扱いしてしまうその信号は何だろう。やはり,同じほ乳類だから受け取る信号が近いということかな。チコが息子であるとは図かしげもなく書く猫馬鹿の男は,やはり彼女らを娘だと思っているのですが,異形の娘の何に「幼い娘」を感じているのだろうかとふと疑問に思ったのです。
 息子たちの操る言葉ですが,うちは,ワイフと私の言葉が元々違うから多少は,バイリンガルかな。まぁ,最近は,昔の高校生が話していたようなレベルの方言でしゃべるというのも少しずつ消えていっていますね。私がかつて初めてこの街に降り立ったとき,当てのおっしゃっている言葉の単語どころか,文節すら拾えませんでした。
 もちろん,皆さんそのような人間相手には親切にも標準語ライクな方言で接してくださるので,何とかなったのですが。今時は,人の流れもありますし,市街地でそこまでの言語的カルチャーショックを受けること無くなってきていると思います。
Commented by みゃ♪ at 2007-10-05 15:46 x
わっ!!!今、ユッチと全く同じポーズをして、すぐそばの廊下に転がってるミケコがいます。
・・・足の長さが全然違う~。

うちの旦那さんも、幼児言葉使いませんね。
生まれたばかりの甥っ子にも使ってませんでした。
私は、コタに使いまくるので、そのたびに「コター、かーちゃん、キモイなぁ。」とか言われます(笑)
Commented by pon at 2007-10-05 19:44 x
うちも夫は博多、私は中部地方、とまったく違うのでおのずと家では標準語。間違っても、おみゃ~さん、違うがね~、とは言いません。で、息子も標準語で、ねぇ君達~、とか気取ってしゃべるちょっといけ好かない子だったのですが、小学校に入ったとたん、えせ関西弁のような方言。正直がっかりでした(笑)。今はこちらの言葉です。私に似て言語の適応力はかなり高いです。
Commented by ruddy_aby at 2007-10-05 21:37
まさに今、ウチのねこがやってきて、「にゃあ」
「よしよし、どしたの・・・・」と(汗)
Commented by j11l163 at 2007-10-05 21:46
ごていねいに、ありがとうございます。
またしゃしんみにきますからね!!フフ
Commented by complex_cat at 2007-10-06 08:19
みゃ♪さん,私の場合,女性が使うのは,そんなに違和感ないのですよ。昔いた研究室でいろいろ飼っていて,他の研究室の大学院の先輩が遊びに来て,いきなり幼児語で,彼らに話しかけたりするのを見てどん引きしてましたけど,時々そういう方もおいでになります(笑)。
Commented by complex_cat at 2007-10-06 08:39
ponさん,それは重要な才能です。大学で済む場所が変わり,方言が酷いことを気にして,失語状態になる人も居ます。
 私の知人も,「うそんこたーい」「おいがあいが」とか強力な南九州弁で話すと,第一に通じないので,県外に出ると,人の話をよく聞くそうです(笑)。極端な方言を操る人は,何処の県でも若い世代では少なくなっていると思います。同じ県出身の分野で有名な方は,T大に入学,3日目にして完全なる標準語を操ることが出来た人ですが,バイリンガル圏では,卓越した語学の天才は生まれにくいのが持論だそうで,最低でもトリリンガル環境が必要と仰ってました。
Commented by complex_cat at 2007-10-06 08:42
ruddy_abyさん,それが,「よちよち,どうちたんでちゅか〜」となると,普通の人はどん引きでしょうね(笑)。
Commented at 2007-10-06 20:44
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by complex_cat at 2007-10-06 21:54
カギコメさん,貴重なお話有り難うございます。
カギコメさんにそういうキャラを当てはめたい方々なのではないのでしょうか。お疲れ様です。
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by complex_cat | 2007-10-04 19:12 | Cat Family | Trackback | Comments(19)

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