総会
2008年 04月 20日
社会が蝕まれていくと,その捌け口は最も弱いところに向かう度合いも進みます。今気になっているのは,身内からも精神病院からも拒まれるタイプの心を病んだ患者がアニマル・ホルダーになる状況が散見されるようになっており,犬猫が巻き込まれている事例が目立つようになってきていることです。また,思いこみから犬猫をスポイルしてしまう活動をなし崩しにするような方々に苦労されているので,専門家としてサポートが出来る方法を提案してみました。それなりに大変な作業ですが,動物行動と生態分野からの専門家としての支援を相談役として引き受ける目的と目標が見つかったので,更に勉強しなければならないなと気を引き締めました。
#1-1 行政は予算のないところで,どの分野でも,言葉悪いがNGO,NPOに仕事を押しつけて,自分たちのやりたくない,やれないことを上手くこなしていかねばならない。その一方で,皆さんのような人たちは,ああ,この人たちは犬猫が好きなんだから,任せればいいと半ば公然と言ったりする。
冗談じゃない。本当に大変な仕事でこんなに割の合わない辛い仕事はないのだと。逆にその労苦の先の喜びが理解できる,よほど好きな人間じゃないとやれるはずがない。これは,どの専門分野もそうなのだが,専門官が少ない日本にあっては,そのことを皆さんに仕事を廻す行政官は理解していないといけない。
#1-2 私はクリスチャンでもなんでもないが,マザーテレサの偉大さを学んだことがある。彼女の偉大さは彼女が突出した宗教指導者でありながら,一方で病院やホスピスなどの経営手腕などを持っておられたということではない。今,救助すべき人を助けるために先を急ぐ中途,倒れている人を見つければ,躊躇なくその人を救う。その先の人が危ういから見捨てざるを得ない,そういう言い訳はいくつだって考えられる正にその神の試練に対して,マザーの凄さは,何ら恐れることなく神の御技を知らしめるパワーに溢れていた。
会の皆さんも無限の言い訳を作り出せるその場で,先ず,どうやったら目の前の犬や猫を助けられるという,その判断,行動力,そのための努力こそ,尊い。機会があるときにお伝えしたかった。心から尊敬しているし,猫岳に棲まう猫王なる存在がもしも存在するならば,彼の祝福は皆さんたちのものだ。
#1-3 多くの人が食べていくのにさえ大変な格差社会になってきて,犬猫の世話などよほど余裕のある人の道楽だと切って捨てる人たちが少なくない。これからはもっと増えるかも知れない。でも,最も弱い部分にセーフティ・ネットを施そうという人の思いやそのための社会が,人にとって居心地が悪い社会に向かうはずがない。リスクヘッジという考え方は,昔の社会では普通にあった。誰かがなすことは,回り回って世の中に還元される。犬猫が安心して住める社会が,例えば,子供たちが安心して笑い声が響かせられる社会と同じ方向を向いていないと誰が言えるのか。そして,偉そうに自己責任論や成功者であることを曰う人たちに対して,いきなり「あなたの求める社会で,子供は笑っているのか」と尋ねて,まず,意味が理解できないという反応を示すか,或いは,まともなイメージとして答えられる人たちは,未だであったためしがない。
どうか,胸を張って,犬猫の保護のために戦って欲しい。
といったところをまぁ,ネタのような猫王のファンタジーでときどき惚けながら,久し振りに熱弁をふるいました。人のためにこそ喋るのは,どうやらいくらでもパワーが出てくるみたいで,二時間ほどの時間があっという間に過ぎていきました。
また,動物生態・行動に関わるところで猫の保護活動に関連して,興味深い質問も多数ありました。
#2-1 去勢すると雄は軟弱化して喧嘩にやられやすくなるから,したくないという人が思いの外年配の男性に多いと言うことで,困っているそうですが,去勢済みにして,日々番長生活をしているチコに喝を入れて貰わねばなりません。人は,自分が動物に責任を持つ生活をしている限り,そういった見当違いのナイーブな話を持ち出すようなことはないのですが,現代では多くの人が,実際には動物との関係が希薄で,先入観や,半端な理屈でものを考えるようになっています。
#2-2 市の中心部にある森林が,猫によって生態系破壊が進んでいるという当初があったようですが,私が十年前にトラッピングをやったときに,既に森林性野鼠はかなり悲惨な状態になっていて,今更という気がしました。また,植生に対して猫が影響を与えると言っている人たちが居るようで,これはデータを取ってみないと分かりませんが,猫の屎尿により実生が出てこない状況は,そもそも尋常じゃないほどの猫が暮らしていない限りありえないし,猫の狩猟能力は,決して低くないものの,その辺のセキレイすら,簡単に捕獲できない,向かうのはトカゲや蛙などの小動物ですが,その部分での多様性は,ほとんどない地域で,ことさら猫のせいにするよりも別に生態系保護のため考える課題は多いと思うとお答えしました。
#2-3 質問が多かったのは,テリトリーの話。会で里親に渡す個体は,かなり適応能力が落ちている成獣が多いので,里親のずさんな飼育感覚によって,渡した途端に家を逃げ出すという事故も頻発しています。元の木阿弥どころか,逃げ出した場所によっては猫は最悪生きていけず,お仕舞いという状況が想定されるので,必死になって再捕獲するという現状をなんとかしたいということです。今の法に照らすと難しいけれど,技術的には二,三週間使える発信器は,私でも作ることが出来るということをお話ししました。会は行政からの相談を受け,そのサポートをされているわけで公共性が低い作業と言われるようなことはないはずなので,里親の元で安心して暮らせるまでの期間だけでも,逃走した場合の保険として発信器を着けられれば,ずいぶん作業も楽になるということは以前から感じていました。大学でテーマを設定して,NGOである会と一緒にデータを取りながら,そういった利用を見いだしていくという方法なら,許認可は通りやすいかも知れません。
その部分で利用を認めて貰えるようにするための認可の可能性については,確認をとらねばなりませんし,実際に猟友会関係者は,猟犬に外国製のテレメを着けて好きに使っている人も少なくないという情報も頂いているので,これについても,許認可の有無など確認するつもりです(実際,ドッグマーカーは各地で違法電波発信事例として問題になっているので,こっちに限って合法手続きをとっておられるとは思えませんな)。そもそもチコに発信器を付けるというところは,そのことにまんぜんとではありますがコミットできる部分もあるかもと思ってはいたのです。
#2-4 他には,散歩猫やドライブ猫の話。我が家も多分,公陳丸とチコの後は,周辺状況なども考えて自由生活は難しくなる。ブログで知り合った方々の,中にはそういったノウハウにより,猫とクラスかたがたがおいでだが,それなりの注意深い手順やトレーニングが必要で,その部分については,私もワイフも,ナッチ&ユッチの時に試そうかということになったが,結果としてノウハウも才能もなく,ダメダメだという話もしました。それは,会の里親を名乗り出る型の中には,猫を散歩する姿に憧れて,いきなり散歩に連れ出して逃げられたりする事故も頻発するようになっていて,課題だということでした。
#2-5 また,里親が高齢の方で,入院する状況が生じたときに,家族の方が引き受けるという約束をしているにもかかわらず,当然誠意ある人間同士であるということが前提の申し合わせで,拘束力が無く,平気で猫を戻しに来て親が退院したら,また持ってきてくれと,コンパニオン・アニマルの貸出機関のように好きかってに会を使おうとする人がおられるという話にもびっくり。
#2-6 保護された犬猫の将来が掛かっているので,里親は厳正にチェックされているのが様々なお話から分かります。それでも年間300件近くの幸せな養子縁組を成り立たせてきた会の方々の努力は尋常ではないし,本当に素晴らしいことだと思いました。
どうか,息子たちにも会の皆様方にも,猫王の祝福のあらんことを。
どうか どうか幸せに。
もう、いつ拾ってもいいように私の車にはダンボールとタオルが常備されています(笑)
うちは最初は完全室内飼いのつもりでしたが、予想に反してお散歩猫になってしまいました。
他の方には環境の違いがあるので、基本的にはお勧めはしていません。
でも、この3年コタと二人三脚で学習してきたので、猫のお散歩にも自信あります(^^)
猫のリードをつけての散歩について、注意点をまとめることも出来ますよ~(えっへん)
おちびちゃんたち(時には成猫も)に、暖かな家族のご縁がありますように!
ご縁がこれからもドンドン増えていきますように!
この組織は,代表と彼女を支える会員の方々が強力なので,私は非常に強いものを感じます。十分お話をされた方がよいと思います。
見ていてくださって有り難うございます。
うちの子は,ちっちゃいのじゃないかとか(笑)
私も,小型肉食獣用のミルクは,しばらく冷蔵庫に入っていたことがあります。
あと,週末のスケジュール調整,宜しく。日曜日は駄目っぽい。
お散歩猫マニュアル(?)、まとめてみますので少々お待ちくださいね(^^)