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集落共同体再構築

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奄美のいつもの紅さんとこ。本来ならば購入時の契約と齟齬になると思うのですが,エスプレッソマシンの日本側販売会社が,大島までメンテナンスに来るのを渋ってくれた御陰で,紅さん拘りのエスプレッソが入れられなくなってしまい,その結果大人気のパスタ&コーヒー&ケーキのお店だったのを,地元産マグロの漬け丼メニューにされていたのです。が,ここに居たってファンの要望もあって,元のメニュー構成に戻されていました。いえ,コーヒーは,エスプレッソマシンが壊れたままなので,ドリップになっていますが,それが元々コーヒーに拘りのある紅さんとしては気に入らないようです。

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実際,これは朗報で,久し振りにここのプリンを食べました。ああ,この大胆にバニラが入っているこのプリンもコーヒーも,久し振りでした。





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紅さんと旦那さんは,奄美で消滅した水田を復活させようとしておられて,小さな集落単位のほうが動きやすいと早速協力者を纏めてしまったようです。米を売ったりするのではなく,ともかく自分たちで食べられるものを集落単位で作っていこうと云うことのようです。来年は,お店で味見できるかも知れません。

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そういう話を伺って,ハタと思ったのです。現在私の住む町内でも,形骸化した集落共同体の行事が残っていて,それが,私たちのようなものには,ある意味負担です。いや,ほとんどの人たちがそう考えていると思います。なんで,わざわざ集落の運動会を大人だけでしないといけないのかなと思ったりするのですが,それにより集落内のコミュニケーションが確保されていることも理解できるのです。そういう集まりを無くせば,再び構築するのは簡単ではありません。昨今の子供を狙った事件や地域の防犯などでは,町内の連携・協力が必要な事例も分かるのですが,それにしても,なぜ運動会とか思ってしまうのですが,合点がいったのです。疾走で,そのことをちょっと考えたりしたのをぶつぶつ書いていますが(そのエントリーの画像は,幼稚園の運動会なので,そのことではありません),なぜあれだけのエネルギーをかけて,学校の運動会とは別に,子供がある程度参加できるとはいえ,そのエネルギーや内容からあまりに横の繋がりの消えかけている地域でやるには大変な夏祭りや大の大人だけでの集落内運動会を続けてきていることへの合点がいかなかったのです。

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私は勘違いしていたのです。集落共同体は,共同でしかなしえない食料作りのためのものであったということに改めて気がつかされました。夏祭りは草刈りの後の集まり,そして運動会は収穫祭の代わりだったのです。機械化された今では,農村地域でも,既に形骸化している行事です。一緒に食べるものを作る,その機能を外したの頃の部分で維持されているところに,過剰な投資のアンバランスを感じていたのです。それ以外に食べ物を手に入れる方法がなければ,その程度のこと流行って当たり前という気がします。

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今再び,町内の人の手だけで,しかも安全な食べ物を作ろうとすると,集落共同体でやるしかないのです。人の手でやるにも,家族単独では,利水なども含めあまりにも負担が大きいから。今,私が住んでいる場所の食糧自給率は,北海道を除けば全国一位。ありがたいことに自給率87%以上で,おフランスより凄い値です。やがて,食糧資源問題は,見えない打ちに侵攻してくる可能性があります。それは,確実だと思っていたのですが,まだまだ十分足りる状況でも日本経済が沈んでいくとともに円にものをいわせて食べ物を持ってくる力が何時までも保証されるわけではないでしょうし,今のような見せかけのエコ,バイオマス(バイオマスが全て見せかけという意味ではありません)流用や投資対象による影響は,安全保障上の問題を必ず引き起こしていくでしょう。そして,経済格差から,本当に口に入れる「安全な」食べ物の確保が負担になってくる時代の到来を予想させます。

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そうなりゃ,自分たちで作るしかなくなる。少なくとも作れるものは。そのときに,まだ集落共同体で一緒に食べ物を作る喜びや共同で行う農業のノウハウが残っているウチに再構築して,遊んでしまおう。バザーや喫茶も収穫時や田植え,草取りなどのイベントでやればいい,というのが紅さんの発想です。
 夫君の焼き物の展示即売会が鎌倉であったそうで,10年以上もアメリカで飲食艇を経営されてきたお二人ですが,最近都会に出ると疲れるそうで,一日持たなかったと苦笑されておられました。紅さんは,ビル群なんか土の中に埋めてしまって地下都市化してその上で,畑と森を作ればいいなんて,ガンダムのサイド6も真っ青のアイデアを楽しそうに話されていました。うん,都庁埋めるのは大変でしょうけど。お江戸は公共事業で潤いそうです(笑)。・・ジーク・ジオン!

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紅さんに云わせると,だってあそこで働いている人たち,全員が全員,食べ物作っているわけではないのだから大変だって。私は俗物まみれの物欲キングですが,地方暮らしが長いので,都会の圧倒的物流を見ると,実は,最近は恐怖を感じてしまいます。自分の暮らしがその恩恵のおこぼれで構築されているにもかかわらず,これだけの物量を人が本当に必要にすべきなのかなとかついつい考えてしまいます。それでしか維持できない日本経済というものの脆弱さを見るようで不安にもなります。それは,ドーピングしながら血を吐きながらひたすら疾走するレースのように見えます。

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東京大阪からの直行便で仕事にやってくる若いデザイナーや技術者は,ここに入り浸りになる方も少なくないのですが,彼女は,彼らの感性やものつくりを褒める一方で,貴方たちがクリエイティブだとおもってやっているイベントの多くは,島の開発と破壊に利用されていくのよと,多面的にものが見える辛口の一言をちゃんと嫌味にならぬように上手く伝えています。実際,海岸線における土地開発状況はかなり不安なものがあるらしく,ある有名な観光地のホテル経営をされていた方が引退されてこちらで余生を送ろうと土地を探しに来られたのですが,山側で良いというのに,ODA利権のビジネスモデルを大島に持ち込んでいる大手子会社のデベロッパーの土地しか紹介しない不動産会社と本土の有名観光地でもあり得ない風光明媚な海岸沿いの土地開発のむちゃくちゃさに呆れる以上に怒りと不安を感じて,直ぐに帰ってしまったという話もあります。まぁ,食い物にする方は,それで商売だと云っていればいいのですが,島でずっと暮らしていく人たちにとっては,その辺りちゃんと情報が共有されて納得づくである必要があります。ちなみに,そのビジネスモデルは,開発計画〜自分ところでアセス〜開発反対運動封じ込め〜子会社にインサイダー取引紛いの土地買いあさりさせる〜それを売ってさらに設ける〜自然が破壊されてリゾートホテル群だけが残るというやつで,東南アジアや沖縄などでも同じ方法でひたすら稼いでいる人たちがおられます。
 矛盾が進行しているところは,「大様は裸」ということが肝心の人間には理解されない。どこでも同じですね。かくして,紅さんは,この辺りの土地を買いあさって開発から守りたいから,初めてお金が欲しいと思ったと笑いながら冗談で話してくれました。
Commented by Lilywhites at 2008-04-27 00:29
良い雰囲気ですね~、私も機会があれば訪れたいなと! EF50の開放、良いですね。
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by complex_cat | 2008-04-26 06:31 | Nature Islands | Trackback | Comments(1)

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