8月6日に寄せて〜Gary Seven's cat
2008年 08月 06日

少年期からSFファンだったので,ファースト・エンタープライズ号の航海日誌については,TVシリーズだけではなく,ノヴェライゼーションは全て愛読書でした。
そのこともあって,カーク船長が,原爆投下前の広島市にタイムスリップして,記憶を失ったまま彷徨い,不時着米兵と勘違いされて憲兵隊に追われ,一市民である少女に匿われる・・・そんなプロットを考えたことがあります。
まあ,十代の少年が考えることですから,「危険な過去への旅」(小説版日本語版タイトル「永遠の縁に立つ街」; 原題‘The City on the Edge of Forever’)と「宇宙からの使者 Mr.セブン」原題‘Assignment: Earth’からインスパイアされたモザイクのようなお話です。
ちなみにリンク先のもとは,こちらのファンサイト。エネルギーを感じます。
前者は,間違って向精神薬を自分に打ち込んでしまったドクター・マッコイがタイムトラベルのドームに飛び込んで,未来を変えてしまいナチス・ドイツが勝利する結果,地球連邦共和国が存在する彼らの現在が消えてしまうと云う話。
後者は宇宙から人類に警告を与えようとする任務を持ってやってきた,20世紀の地球人ゲーリーセブン(Gary Seven)と過去の地球の歴史調査にやってきたエンタープライズのクルーが交錯するもので,ニューヨークに核ミサイルが落下する事故を引き起こして(実際は途中爆破して実害はないようにするというミッション),その結果世界が一つにまとまり核戦争の危機を避けるという話です。
ゲイリーセブンは宇宙人が,地球を破壊から回避させようと送り込んできたエージェントです。彼の後見人は30世紀からやってきたカーク船長達にも正体が分からない高度文明を持つようです。何となく「鉄腕バーディ」の企画が埋もれているようなお話。正義の工作員(!)である彼の重要な相棒が黒猫型生命体アイリス(Iris)で,水爆衛星のコントロールに細工するときなどに,活躍します。また,彼女が時々変身を解いて絶世の美女になるというのが、その次代のアメリカドラマらしく面白い設定でした。ちなみに美女の方は,映画「ローズマリーの赤ちゃん」,「恐竜王国」など,カルト的SF&ホラーのヒロインで有名なVictoria Vetriが演じてました。
あ,ゲイリー・セブンの方の俳優さんは,やはりB級SF&アクションで有名だったRobert Lansingですね。
そのオリジナルTV放送はYouTubeに沢山上がっているようです。なぜか,割と最近のアメリカ人気TVコメディ・ドラマの「フレンズ」のテーマ仕立てにしてありますが,アイリスの変身シーンもちゃんと入ってます。
ちなみに,画像のもとはこの‘Assignment: Earth’のために作られたサイトみたいで,他のストーリー・ページは無し。この話に惚れ込んで居るみたいですね。完全にストーリーをフォローしています。凄いなぁ。何枚も見ているうちに,この黒猫,公陳ぽいなぁと勝手な親の欲目。
日本語による,全体あらすじは,こちらが「過去への危険な旅」,こちらが「宇宙からの使者 Mr.セブン」流石,人気番組,何でもあるなぁ。
後者の原案が書かれた時代は,まだそのような力が人類にあると信じる人がそんなに少なくなかったと思われるので,当時にあってはそれなりに共感を得られるシナリオであったと思います。今はどうでしょうか。
若かりし頃の私が考えたプロットでは,カーク船長はいつものごとく,ぎりぎりでエンタープライズに転送,救出されるけれど,その時代も彼の命を救った少女も助けることは出来なかった。そんな話です。主旨は,実際その時空に送り込んでやりたいと思えるような偉そうなことを言っている人間がたくさん居るなぁと思って考えたわけです。当時から,私は意地悪ですが,デス・ノートよりはウィットが効いた発想が出来てるなと自分では思っております。
武器とか戦闘とか,実際自身が当事者になることを強くイメージできる想像力のある人間は,病的殺人者は別ですが,勇ましいことをいう人間ほど居ないというのが私の持論です。徴兵叫んでいる爺婆もおっさんおばはんも,戦争を知らない世代の癖してその上自分が絶対に行くことがないですものね。
偏見でしょうけれど,米軍関係者でも前線での戦闘経験のある人たちの方が,発言を聞いていると至極まともで,共感を持つ部分を感じたりしますが,まぁ,人それぞれなんでしょう。中途半端なソルジャーは,中途半端な政治家同様,市民にとって危険ですけどね。
広島,長崎への核爆弾投下は戦術核なんてもんじゃなくて,市民の虐殺以外の何者でもありません。当時の日本は,全員がソルジャーで,全域が軍事工場だったなんてのは,有色人種で核実験をやりたかった人間による,誠に都合の良い理由付けです。早く戦争を終わらせたいなんてのは,まっとうな理由かどうかは検証すれば分かりそうなものですが,そう信じ込んでミッションに関わったアメリカ人も少なくなかったとは思いますから,嘘っぱちとは申しませんけど。
あのスタートレック世界の歴史では,人類は,核戦争を回避する知恵を1970年代には既に発揮して,それ以後,ワープ航法を可能とする宇宙人(バルカン星人?)とのコンタクトを経て(映画では「ファースト・コンタクト」),高度な未来社会を構築しています。経済システムも進んでいて,銀河連邦共和国軍には給与が出ていません。
スタートレックは,初代カーク船長時代と比べると随分進んでしまいました。便利なタイムトラベルという技を使って20世紀に直接コミットするようなベタなシナリオが,実はファーストシーズン関連には沢山ありましたが,今はそうでもないようです。スタートレックは,本来はそういった「理想として持ち続けるべき未来」を示した数少ないSF作品世界であると思います。
重さ30kgを切る小型核弾頭による局地核戦争が普通に想定される現在,なりふり構わない資源争奪のための軍事力強化が既に各国で始まっており,この問題は20世紀とは別物になってきているでしょう。
日本に核ミサイルを向けている国がある以上,防衛的な意味での盾も矛を否定するのは矛盾かも知れません。一方で,自分自身が武器を携帯して国際社会通りを歩いていれば,ある意味襲われても心強いかも知れないけれど,こいつ殺気を放っている,害意ありと見なされて襲ってくる輩が出ることもあるわけです。もちろん単純に馬鹿ね,危なくなったら銃持って先に引き金引くだけでしょという考え方もありなわけです。また,こっちに害意が無くてもこっちを最初から刺すつもりの奴が飛び出してくれば刺されますけど,そういうアナロジー自体が,そもそも本当なのかどうなのか。一方で,通り魔のように1回防げばOKということにもならない。同じ人間はずっと同じ地球村に住んでいるから,出来れば,相互理解で仲良くするしかないと考える戦略も,それなりに変な話ではないでしょう。逮捕させるか引っ越すかという戦略はないのですから,始めちゃったらどっちにしても泥沼です。殺されないようにいつもナイフを抱いて眠るという経験がないなら,思いこみの浅い戦略を述べることにならないか,十分注意を払うべきだと思います。
これから,この星で何が始まるのか,Gary Sevenは,黒猫Irisを抱いて見ているなんてことはありません。私たちは,Gary Sevenなしで,この星の文明を平和な方向に築き上げていかねばなりません。20世紀では現実性を余り帯びなかった人口増加,資源枯渇というじり貧の檻の中に居るみたいな状況が進んでいるわけで,確かに,頭がお花畑では,とって食われるだけかも知れません。しかし,一方で危機感が暴走したら駄目でしょう。光を向いた楽天家という部分も必要かなと思います。
とりあえず,子供達のことを思えば,その前世代としては未来を信じていないとね。オレは未来を信じてないから,子作りなんて馬鹿な真似はしないよ,というのもそれは一つの考えだと思います。そういう考え方が止められなくなって主流を占めたら,その時は終わるでしょう。息子たちには,次世代のために指一本動かす気がなかった人たちが爺婆になっても何もしてやらなくて良いよと教えておきます。彼らも構って欲しいなどとは思わないと言っていると。
我が儘勝手なことばかり言っている年寄りは石ぶっつけて荒野に追い出しなさいと子供達に伝えます。ブーメラン投げが得意な人は自分が歳取らないと思っているのかもしれないけど。
最後の一滴まで資源は自分たちで使う,そのためには,核でも何でも使えるものは使って奪う,後は知らないという戦略をとってもそういう人たちもやがては消えていくでしょう。待ち受けるのは,航宙艦や銀河連邦共和国なんて夢を笑うどころではない,愚かな人類の終焉です。
Harlan Ellison's the City on the Edge of Forever: The Original Teleplay That Became the Classic StarHarlan Ellison / / White Wolf Pub
Star Trek Assignment Earth (Star Trek)John Byrne / / Idea & Design Works Llc
ISBN : 1600102913
日本語版のノベライゼーションは既に絶版かな。私はあの文庫のシリーズをどうしたろうか。
エピローグーもう一つ。私がそのカーク船長だったらどうするか。少年期,もう一つ考えたエンディングです。あまりのご都合主義で,私は良くないと思ってしまったのですが,これこそがスタートレックの世界かも知れません。
「ズールー,エノラゲイを捕捉,機首をそちらに向けろ。インパルスドライブ1/10光速。」
「はい,船長」
「チェホフ,フェザー砲開け。目標,降下した直後のリトルボーイに固定。最大出力でセットしろ」
「船長?」
「スポック,歴史への干渉でどのくらい大きな捻れが生じるか,シュミレートしておけ。」
「そう仰るだろうと思って,やっておきました。既に,日本は講和条約の準備をしています。非戦闘員が生き残っても,日本の戦後の復興にプラスにはなりますが,大戦の戦局には影響しないでしょう。国土のほとんどは焦土と化しており,勝負は決していたのです。あなたの先祖の国は,その後,イニシアティブを握るのに若干の苦労はするでしょうけれど。ここは,特異点としては,作用しません。」
「よし,何ら問題はない。とりあえず,こいつをこの世から消滅させる。未来を考えるのはそれからだ。撃て。」
エンタープライズのフェザー砲で,原爆を消滅させましょう。歴史に思いっきり干渉して,少なくとも,あの汚い炎で焼かれた人たちを救う。銀河連邦共和国は瞬時に消え去るかも知れないけれど,とりあえず,その先の未来を考えます。ご都合主義ですか? それがスタートレックの良いところです。
データの方はぼちぼちやっています。盆開けはもっとスピードアップせねばと思います。
長崎っ子の私にとっては、やはり8月6日と9日は特別な思い入れがあります。祖父母は原爆のきのこ雲を見ていますし、原爆手帳ももっています。
最近、祖父母に会ったときは、もっと詳しく話を聞きたいと強く思います。忘れないこと、伝えること、繰り返さないことが大切だと思います。
あなたは,ご実家の状況もあるので,現状そっち優先でよいと思いますが,例の3次元オリジナルグラフ処理と,それに関する考察だけは進めておいてください。盆明けには,ビデオ解析についての指針を渡します。そっちも頑張ってください。って,一応ブログが伝言板として機能。
それでいいか。

