Self-defense for Women #2 ‘Choke Escape’

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こちらのエントリにいただいたまるさんのコメントを読んでいて,落ち込ませてしまってはいけないなと思ったのと,その恐怖感が過去経験からリアルだということで,もう少し簡単な方法を検証してみました。いわゆる,後ろを取られて襲われた場合の対処法です。
 襲う方の反応や本気度によって,こういうのは結構使えたり使えなかったりするので,この技も微妙な部分は勿論含みますが,いろいろ見た中では,シンプルで,初級?の暴漢には使えるかなと。Women's Self Defense for Rear Assaults : Women's Self Defense Choke Escape Turn (こちらの方の動画は,直接埋め込めないようになっていますので画像はスティルのみで,ここをリンク)

 ポイントは二つ,いや三つ。
1)どちらの腕で締められているか,締めてきている相手の腕の肘が右手に触れば右腕と瞬時に判断。

2)手ほどきと同じなのですが,後ろから締められている自分の位置を,相手を相手の腕の反対側の位置に置くようにステップして,自分の頭の側面部を相手の胸に押しつけて支点としながら時計方向に体軸と一緒に頭を90度回転。
 この動画では使われていませんが,相手が思いっきり力を出してきている場合,或いは後ろに引きずられるほどの状況に既に陥ってしまった場合は,締められてきている腕に両腕でぶら下がるようにすると一瞬ですが弛みやすいです。相手は,襲った人間を支える方に力を使わなければならなくなりますから。飽くまで崩す効果があるのは一瞬です。この脱力するというのは,合気道でも教えておられるようですし,太極拳の捨己従人などの技術でも被ります。下手な力を出して抵抗せず,いきなり脱力すると,襲った相手をホールドするために使う力に一瞬齟齬が生じます。意識的に「死体」いや,言葉が悪いので,「水袋」になった瞬間,相手はその瞬間,体勢を変えなければあなたを持ち上げられなくなります。そこに絡んだ腕を外すスキが生じるということです。
 
3)バックステップして絡んでいる相手の腕を外すときに,相手の腕を掴んだままでいれば,そのままサブミッションが掛かります。相手の危険度が高ければ,そのまま地に押しつけて,しっかりダメージを与えるというのは重要なポイントです。そうしないと,もう一度「問題を解く」はめになり非効率的でリスキーです。1回外されると,相手は精神的に手負いになるわけで,そこで諦めてくれない場合のその相手は,ずっと危険な相手になります。


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この女性インストラクターの方の動画はいくつか見た内で,信頼できるテクニックになっているようです。相手が締めるもう片方の手でこちらの後頭部を押さえてくる,いわゆる裸締めの基本で締められた場合,中級暴漢対策です(こちらの方の動画は,直接埋め込めないようになっていますので画像はスティルのみで,ここをリンク)。相手の膝の下の急所に肘をこつんと当てるシンプルな技です。勿論,プロのサブミッション・アーティストが決めたら,こんなことする間もないことだけは付け加えておきます。私も少し教わっただけで,この技だけは人よりは簡単に決めることが出来るようになりました。武技や格闘技を使って,女性を襲うような人間は,最悪の存在だということで,実際,余り表には出てきませんが,某名門門派の闇の歴史の中や,そこまで行かなくても小物の格闘家や中国武術家など,ときどき出現するので,油断なりません。



 アメリカにおける女性護身術インストラクターの多くは,Rape surviverの場合が少なくないそうで,べらぼうなモチベーションにより肉体を鍛え上げたりしておられますので,日本人の平均的な女性がそのまま使えると考えると齟齬が生じます。実際に「技は力の中にあり」のレベルなので。もう少したおやかな女性が技でというのを探しておりますが簡単には見つかりませんね。
 さて,動画のポイントは,背後から首を襲われた場合の対処の仕方として,腕ほどきの方向に動きながら,金的を含む急所に効果的な打撃を加えながらやると,仕事が楽だということです。




 こちらも,これに関連して参考としますが,実際は,鵜呑みにすると一寸危ない動画です。相手の足の後ろにステップバックする部分だけ参考にされて下さい。
 この場合,完全に相手の腕を外してから倒していないので,首を絞められながら相手が倒れるまま一緒に引き倒されていなければおかしい,悪い例です。YouTubeに数多あるセルフ・ディフェンス教室の動画は,女性に「自信」を持たせるためか,営業サービスなのか露骨にやられてあげている例がほとんどで,私が,一番最初にSystemaの画を出したのは,それを嫌ったためです。こんなの信じたら,お嬢さん,あなた,死ぬよ,というのが沢山あります。
 一つ目のポイントは,例えば両腕で締めてきた場合,相手は最初の瞬間だけ,無防備であるということ,最も近い距離の急所(喉)に一本拳か抜き手,或いは仲立ち一本拳を入れる用になっていますが,相手が本気で力を出す前に対処しないといけないということ。だから,頭で知っていても,瞬時に勝手に動かないと効力は発揮できません。
 ‘self defense’‘choke’,「護身術」「後ろから首」で検索するといろいろ引っかかってきますが,この世界,ある意味トンデモ技の巣窟というか,こんなの使える方法として教えているのならもの凄く危険だなと思ったりする動画がかなりあります。どれとは言いませんが,自分も相手も激しく動き回っている状況において,本気で自分を襲うような相手に耳を掴んで相手を制する技というのは私の経験からいうと無理だと思います。髪の毛毎わしづかみにするか,相手の耳の位置はリードにして,目の中に親指を押し込む方がずっと確実です。それと相手の小指と薬指の間にこちらの手を潜り込ませると,小指を掴んで,ある方法を持って折るか脱臼させるなど,危険度によって迅速に決断して実行する必要があります。後ろから本気で力を出されて裸締め食らったら,男性でも剛法や急所攻撃を使わずに抵抗するのはかなり大変ですが,一方で,きちっとした絞め技の修練を積んだ経験がない暴漢の場合,漬け込む余地は結構あります。逆に言えば,暴漢がサブミッションのトレーニングを受けている場合,回避率は下がり,危険度は上がりますが,このあたりの見極めをする余裕がない場合は,最初から思いっきり行くしかありません。勿論,見極めるにはそれ相応のリスクが掛かります。
 逆に言えば背後からいきなり襲われた場合,暴力行為の危険度が高いので,それ相応の手段を使っても過剰防衛にはなりにくいでしょう。

 飽くまで上手く行ったときの初歩的な剛法。後ろ蹴りは,実際の男性相手に繰り返し練習しないとどう当てれば効くのか分からないため,使い物になりません。一日,百本単位,それを続けて数ヶ月。ある意味最も短期的に使えるようになる方法です。

 金的への打撃について,イメージが出来ない女性に対して,この真面目にアホな実験映像は,かなり参考になると思います。蹴り上げなくても正面からゆらしてもいいのですよ。

 こういう動画メディアを利用した恐らく黎明期の女性における護身術の貴重な映像。女性のメイクや雰囲気が本当に1930年代。いかん,レトロな雰囲気に惹かれて話が逸れてしまいました。

 
 最後にYouTubeでは,the Self Defense Woman(女性自衛官じゃないよ) ことMs Lu Parkerのプロモーションもの。この人は,結構有名らしく,軍隊戦闘術の応用技のように拝察しました。でも,Systemaの完成型とか見ていると,技の質はまだまだ力の技です。女性であるほど,高い技量がないと,力で対抗したらやられると私は思っています。基本的に,筋力つけてラフ・パワーで戦うというのがアメリカン・スタイルでは一般的です。
 ところで彼女の護身術の動画において重要なポイントについてのテロップが出てきます。何だろうと思ってみると。

・常識を働かせよう。-Use common sense -自ら危険な場所や時間帯に動いたりしないってことでしょうね。知人の格闘家には,退屈すると危なそうなところに行って,俺を襲え,襲ってくれってのがいましたけど,襲う方も常識を働かせていると思いますので,どのくらい意味があるかという問題。

・周囲に気を配ろう。-Be aware of surroundings -挙動不審にならないように。目立つと逆にカモになっちゃいます。いつも壁を背にする女性とか利き腕を預けない女性とか,ギャグにならないようなバランスが必要です。護身は具体的なアドバイスを出せと言うとそういう話を本気でされる方もお出でですが,多分想像力の欠如かと思います。それ自体がギャグかも知れませんね。

・本能を磨こう。-Listen to instincts- 猫に学んだらよさそうです。チコに学んだ長男は,実際空手を喧嘩に使うことを止められていましたが,空手を使ってくるいじめっ子に対して,チコから学んだ技で反撃して身を守ると同時に,相手を引かせたことがありました。相手も驚いたみたいです。
 
 とまぁ,極めて常識的な話が出てくるあたり,混ぜっ返したくなります。銃社会でなくても,絶対的な窮地に陥ったら技で切り抜けられないことの方が多いと思いますから至極当然だと思いますが,普通リスクを感じる状況では,女性なら本能云々はともかく(といっても襲われる経験の多い方は,そっちの勘はよく働くという話です),改めて講釈すれば馬鹿にするなと叱られますね。

 最後に,戦闘術で危機的状況を切り抜けた後必要になる護身技術の最後は,「逃走術」だということをお忘れ無く。安全なところまで逃げる。あるいは助けを呼んで,保護してもらう。そこまでをゴールだと認識しておかねばなりません。
 私がアパートの一室で寝込みを襲われたとき,師の雷声(発勁時の気合い)を真似た声とともに相手を蹴りこんだので,その声を聞きつけて階下に住まわれていた大家さんは,「多分,上の青年の部屋に賊が侵入して,下手すると殺されちゃったかもと思って(汗)」怖くて夜が明けて周りが通勤時間になるまで動けなかったと後で話してくれました。人が居られるところまで逃げても,安心してはいけません。ちゃんと自分の身柄を保護して盛られる状況までをゴールと考えて,そこまで全力で逃げでもなんでも,たどり着くことが肝心です。
 で,見て見ぬ不利をする社会や,女性への暴力に対して感度の鈍い社会では,人の沢山居るところに逃げ込んでも誰が助けてくれるのかという問題があって,そこで意味をなさなくなります。不思議なことに,サポートを男性に頼むとかいうオプションは,自衛を説かれる方から普通に出てくるのですが,自分が護身の最後のフェイズである「戦闘」に巻き込まれても,格闘術的にも,法的にも安全に始末が出来るのか,その辺りちゃんと考えているのかなという問題もあります。
 自分が隣人愛レベルで戦うなんてことは端ッから想定されていないのでなければ宜しいかと思います。

追記ーTAKESANさんがこのテーマ,エントリにしてくださったようです。合気道的アプローチによる解法として,自分も相手も怪我をしないという理想型において,私がご紹介した動画よりもある意味大変参考になります。
 斉藤先生の神技を見ていると,YouTubeの「護身術マスター」に多いラフな力に頼る技の限界を知らされます。
Tracked from Interdiscipl.. at 2008-09-28 12:11
タイトル : 後取り
追記:タイトル、送り仮名を取りました COMPLEX CAT : Self-de... more
Commented by まる at 2008-09-28 17:47 x
貴重なお時間を使わせてしまって申し訳ありません。とてもわかりやすい説明です。ありがとうございました。
ちょっとダンナ相手にやってみました。「後ろから襲われたらこうすんねんで。」と偉そうに言ったものの「え~と、右手でしめられたら、え~と右側に下がって、え~と左手で突いて~」超スローモー。笑
「水袋」になるという方法が一番考えなくてできそうな感じです。
金〇映像、なんというか・・・笑ってしまいました。こんなことを大真面目にやってる人々がいるのですね。そんなに痛いんですか?娘に伝えておきます。笑

Commented by まる at 2008-09-28 17:48 x
一度怖い思いを経験すると本能は鋭くなると思います。以前、建物の影で待ち伏せされたことがあります。15メートルくらい前で、ん?人がいるような気がする。怖っ!逃げよう!と引き返した途端、変質者?が現れ追いかけられたことがあります。なんでわかったんでしょうね。自分でも不思議です。

襲われたら野太い大声で叫ぶといいと聞きますが効果はありますか?防犯ベルはどうでしょう?ちなみに、昔襲われたとき、叫び続けたら相手は逃げてくれました。運がよかったと思います。でも、私の数人後の被害者は殺されてしまいました。(連続して女学生を襲っていたそうです)私が殺したわけじゃないのに罪悪感を感じるんですよ。おかしいですね。

襲われたら恐怖感もありますけど、怒りのほうが大きかったです。個人差あると思いますが。生まれて初めて怒りで全身がブルブル震えました。「ちっくしょ~!このケダモノ!何しやがる!」って感じでしょうか。もし、武術が使えたら超過剰防衛で相手を殺しかねない。笑

娘と一緒に動画で研究してみますね。ありがとうございました!!
Commented by complex_cat at 2008-09-28 20:21
まるさん,こちらこそ拙エントリーに大変貴重でご自身を傷つけてきた恐ろしい事件についてのコメントをお書きいただき,お礼申し上げます。本当に悲しい事件に遭遇されたのですね。
 男性諸氏の多くは,恐怖感を感じたり,実際に襲われたり性的な暴力に曝されたりしていない人がほとんどなのですが,「過剰防衛」とか安易な使い方をする人がお出で私は,気になっております。
 ちなみにWomen's Self Defense for Rear Assaultsの二つめの画像ですが,肘で一番近い膝の急所を叩く部分,腕を内旋させて腕の内側から掌にかけての部分で鞭のように使って金的を打つ方法もあります。私の学んだ剛法では,その方が手っ取り早いです。
Commented by complex_cat at 2008-09-28 23:36
声を出す,音を出すというのは,誰かが駆けつけるかもというプレッシャーを犯人にかけることが出来ます。そういう意味では,声を上げ続けてください。多くの状況では効果的な抵抗です。
Commented by complex_cat at 2008-09-29 00:53
私も,顔も見たこともないのですが「その男」が目の前にもしも立っていて,そのことが分かったら,「へー,あんたなのか」と,瞬間的に金的を蹴り潰しているであろう男がおります。本来なら,その男は闇討ちで十分なので,正面から蹴る価値などもない男です。
 あと,頭,顔面を叩かない限り,少々の打撃では人は簡単には死にませんから,過剰防衛で殺すなんて無理です。ご心配なく。
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by complex_cat | 2008-09-26 22:02 | Cat Kick Dragon Fist | Trackback(1) | Comments(5)

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